■ほころびの春
日だまりの梅の一枝に、白い花が数輪咲きました。日本酒に「寒中」梅とか「雪中」梅とかありますが、今年はまさにそれです。
流れに抗うことはできない。いずれほころぶ。という風で、私も大分ほころびが目立つようになって来ました。ほころびからかい間見えるもの、つくろいきれず露見することは、驚きやさびしさをともなう発見であったりします。
自分もちゃんと「ほころびの美学」を持たなきゃと思う今日この頃です。そうして、花咲かじじいになれたら―― というのが、百姓として夢であります。(晃)
左の写真は、麦踏み仕様にした管理機です。タイヤをはずして、1000円で買った鉄の重たいロールを2つつけて、5cmくらいに伸びた、麦の上を走ります。前の部分を持ち上げながら動かすので、バランスを取るのが難しいそうです。夫と息子が交代しながら1回目の麦踏みが完了しました。
<料理メモ~煮びたし>
先日お会いした梨木香歩さんの小説(角川書店「野性時代」に連載中の『雪と珊瑚』)に載っていた、「青菜と油揚げの煮びたし」のやり方をご紹介します。
うちでは、ただの「おひたし」とともに、一番多く食卓に出る料理なのですが、これまで気がつかなかったポイントがありました。
・ 厚手の鍋を弱火で熱してから、適当に切った油揚げをじりじりと軽く焦げ目が付くまで焼き付ける。
・ 青菜は、小松菜と京菜、のように、形やかたさが違うものを混ぜて使うと、煮上がったときの食感が違って楽しめる。
・ 調味料(みりん、お出し、薄口しょう油、お塩)を入れたら、菜っ葉の量が3分の一ぐらいに減るのを目安にして、煮込みすぎないこと。
私は、これまで、始めに菜っ葉を入れて、その上に油揚げ、その上から調味料(しょう油とみりん)をかけて、ふたをして、最後に水気を飛ばすようにして、ごま油、という作り方でしたが、上記のように作ると、水っぽくならず、油揚げがおいしかったです。色々応用できると思います。
■鳥インフルエンザについて
高病原性の鳥インフルエンザが、79年ぶりに日本で発生し、世界中で1億羽以上の鶏が死んだり殺処分された2004年に、私たちは、鶏飼いであり、人と他者の間に立つ百姓として、「たより号外」(2011年秋にはリンク切れします)を書いています。今も同じ思いです。
7年たって、今回の日本におけるたび重なる鳥インフルエンザの発生でわかったのは、渡り鳥たちの北の営巣地に鳥インフルエンザのウィルスが深く浸透し、鳥の渡りという「自然」によって、直接日本中にウィルスがばらまかれているということです。それにしても、人間の他者に対する反応は、相変わらず「独善的」で頑なようです。(1月31日 泰子)