忘れがちなことだけど、私たちの体は、水に流され、埋め立てられた記憶を持つ物々で構成されて来ました。宇宙を旅し、大空を翔け、山脈を越え、大洋を回遊したことも、地底をじりじりと移動したこともある物々。過去、恐竜の骨格や、微細な菌の類の組織を構成した経歴を持つかもしれない、誰のものでもない、リサイクルし続ける物質でできています。
はるかな来歴と果てしない行く末を思い、自分の非力さをつきつけられては、むなしさに飲み込まれそうになります。せつなに執着するとき、思いを馳せたり心通わせることを断念することもできます。
しかし、人として生を授けられたからには、あえて心開いて、命の摩訶不思議を味わい、堪能したいものです。
波乱に富んだ一年でありましたが、当菜園も、少しは学ぶことができ、成長することもあったでしょうか? ともあれ、今年も、おかげさまで、今日の日にたどりつくことができました。はかない奇跡、まだここに在る可能性を大切にして、よりよき年を招来したいです。
来年もよろしくお願いいたします。
(写真は、年の暮れの畑の、残り火です)