「ごんぎつね」とTPPの比喩は、すばらしい、と、身内で言っていてもだめなので、今日、東京(STOP!!TPPの大集会のこと。午前中オクラを植えてからだから、デモ出発ぎりぎり間に合うか・・・)で少しチラシを配ってこようと、以下の文章を少し短くして、こんなの作りました。絵は、娘が仙台の知り合いの人のライブの宣伝で使ったものを借用しました。
出来立てののぼり旗も持っていくつもりです。(泰子)
ごんぎつねカラーチラシ(秋バージョン)
ごんぎつねカラーチラシ(PDFファイル560KB)
我ら”兵十”は撃つな
物語り「ごんぎつね」を覚えている人は多いと思います。
私の子供たちの教科書にもありました。
只々日々を精一杯生きる”兵十”が、取り返しのつかぬことをしてしまいました。”ごん”と”兵十”は、最後に心通わせるのですが、共に生きる機会は失われたのです。
”ごん”は、福島のこと、農村のこと、海の向こうのこと、身の回りの有形、無形の諸々のことです。
”兵十”は、我々のことです。
TPPは、勇敢な選択のように喧伝されています。
しかし、よく観れば、裏切りに満ちているのがわかります。
裏切りとは、
経済力を持たぬ者…社会を支えながら、競争になじめず、見返りも少ない者
非効率と思われる者…伝統を尊重し、風土に従い、大量生産と無縁な者
排他的とみなされる者…自立を願い、過度の依存を嫌う者
望まぬものを規制などで拒む者
つまり、身の回りにいる人びと、当たり前のことを、貶めることです。
TPPは、降ってわいた話ではなく、過去数十年の延長上にあります。
放っておくと、我々は、自身をいっそう裏切ることになります。
今回TPPに参加するならば、我らが直接撃たなくとも、他の誰かが、我らが”ごん”を、お金のために倒すことを許すことになります。
TPPは、横暴を制止する権利を参加国が互いに放棄する取り決めです。
新たなFTA、EPAにのめり込むこの国の姿は、”ごん”を撃ったことを悔やんだはずの”兵十”が、別の”ごん”を世界中に求めては、憑かれたように撃ち続け、己もあちこち撃ち抜かれ、身も心も少しずつ失なわれていく様です。
世界を殺伐とさせる勝者のいない競争。
不毛な戦いに明け暮れる、末路です。
TPPに大義はありますか?
性急に経済的利益を求める以外に、動機は見つかりません。
成長・発展とは何のことですか。
世界はかつても、これから先も、意図しなくても、ゆっくりと、程よく混ざってゆきます。
我々の身の回りをよく眺めれば、こじ開ける必要も、かなぐり捨てる必要もないことがよくわかります。
(2013年5月24日)