以下、晃が、「いやだね!TPP 寄居町連絡会」のサイトの関連資料の水先案内の文章にと、書き出してから10日ほどたってしまいました。どんどん、事態は進んでいます。
ついには、「コンセッション」(→参考)とか「アベノミクス経済特区」(→参考)とかも出てきて、コーポラティズム(→参照)も、極まりつつあります。
サイトの水先案内としては、不適(と、会のメンバーに諮ることなく、私が判断しました)のようなので、この「晃のページ」に掲載することにしました。(5月18日 泰子)
自由貿易を標榜し、WTO設立をうたうマラケシュ協定前文は、合意形成の場であるウルグアイラウンドにおいて、その理念と隔たる各国の利害対立によって、絵に描いたモチとなりました。
己の自由と他者の自由が相反するのは、普通のことだからです。
熾烈な競争の下、生産性向上にひた走り、過剰な生産物を生み、経済成長を求める世界の国々は、WTOの挫折を経て、FTA、EPAへと傾斜していきます。
TPPは、EPAの一種ですが、日本は、TPP参加の11か国のうちの7か国と、すでにEPAを締結しています。いまだ、締結関係のないのは、ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、米国、の4か国であり、これらの国々は、みな、農業大国でもあります。
TPPは、2国間協定ではなく、参加国を一律に縛る協定です。日本政府が、TPP参加に意欲的なわけは、「より多くを失っても、より多くを得る決断がなされた」と解釈すべきです。
しかし、そのような決断に際し、国民の意志は問われていないばかりか、何を得んがため、何を失う可能性があるのかも、明らかにされていません。挙げ句の果て、参加が遅れたため、これまで何が決定したかも知りえないし、今後も詳細を明らかにすることは禁じられており、締結後4年間は、交渉経緯を秘匿する義務を負うと言います。
日本政府が犠牲をいとわず求めるのは、経済成長のことであり、海外投資の安全で確実な拡大、企業の国際競争力向上のことなのではないでしょうか。
WTO、NAFTA、FTAが、引き起こした混乱の事例は、外から、そして、外に向けて、双方向のものとなり、TPP参加国の国民は、裸でさいなまれることになるかもしれません。競争は熾烈を極め、休む間もなく攻め続けるものが生き残る、利益を増大させるための規制撤廃、雇用条件の変更、安全基準・環境基準などの各種法令の見直しが求められるかもしれません。
あらゆることが、非関税障壁として、俎上に挙げられる可能性があるのです。憲法が、外国との国際条約を、国内法より上位に位置づけているので、外国企業・多国籍企業が主権者となり、裁くのはいかがわしい国際機関となります。
主権を失った国民は、様々な場面で、今まで違法とされて来た行為と争おうとするとき、よって立つ法を失っており、断罪される側にのみ立たされるのです。
自分にとって大切なもの、歴史、風景、生活様式等々を守りたい、夢や希望を、自力で育てたいと願う自由もあります。
さらに、他者を過度に尊重することで、自身の生存が脅かされる可能性もあります。食糧問題がそうです。食糧の生産は、常に、気象・気候の変動にさらされています。大陸丸ごとの不作もたびたび起きています。効率的と思える、最適地生産も、明日はわかりません。危険分散と自給基盤の確保は、欠くことのできぬ課題であり続けます。
どのように、TPPの非道をあげつらい、強欲が支配する未来を想像してほしいと願っても、モラルハザードが、この国をおおっています。
事故の収束も、被災者への償いもできぬまま、首相が先頭に立ち、世界各地に原発を売り込むあり様です。
経済の成長、発展を拝み唱える人は、単作大規模合理主義や巨大資本の世界制覇などを進歩の証と考えているようです。しかし、多様性を実現、花開かせた世界は、独占・標準化へ向かうグローバリズムこそ、退化・衰退の道なのだと、
包み隠さず語っています。