■足腰立たずの秋に、救いの神
台風の後、9月後半は、もう冬なのか、と思うほど冷え込む日が続きました。そんな中、前号で書いた「仕事の大山」に、夫が押しつぶされまして、創業以来の体調不良に陥っています。
「大山」の他に、色々「小山」もありました。夫は、8月以降、「みんなで決めよう『原発』国民投票」の賛同人として、畑のある地区をほとんど一軒残らず回って、署名を集めていました。また、以前から寄居町町政に対して様々な働きかけをしていた方々と、つながる機会も得ました。そして、近隣の先輩農家や仲間や署名者と一緒に「寄居町を耕す人の会」という会を立ち上げて、町議会に「自然エネルギー推進都市宣言」を求める要望書を連名で提出することができました。地元のJA直売所で、署名活動もやりました。
ということで、覚悟の上の、不調であります。
しかしながら、何とか皆様への出荷が滞りなくできていたのは、8月末から、来てくれているHさんのおかげです。セット出荷のある月水金の午前中に、助けてもらっています。始めた頃、「新鮮な野菜を触っているだけで、元気が伝わってくる」といってくれたHさんは、持ち帰る自家用野菜を、色々工夫して、美味しく料理しているようです。来シーズンのために、メモ残しておいてね、と頼んでいます。
(たとえば、ピーマンのおひたし。ピーマンをゆでる、ということは考えてもみなかった私には、新鮮でした。かつお節とゴマと醤油とゴマ油で、おいしくいただけました。)
あと、虫(特にヨトウムシ)が少なかったのが、大いなる救いとなりました。
■小麦の放射能自主検査
埼玉県での検査では、5月以降ほとんどの野菜で「不検出」が続いていますが、事故以前から生育していた小麦については、寄居町に隣接する地域で「15~31Bq/Kg」のセシウム(暫定基準値は500Bq/kg)が検出されていました。
「野の扉」では、先月中旬に、息子の「ノラのパン」での今年産のうちの小麦の使用が始まる前にと、玄麦(脱穀した粒の状態のもの)の自主検査をしました。結果は、15Bq/kgでした。これを受けて、「ノラのパン」では、これまで全粒粉として使ってきていた「フスマ」(=小麦の外皮)の使用はやめて、製粉したもの(放射能値は半分になる)のみを使用することに決めました。(詳しくは、「ノラのパン通信10月号」に。この件に関しての「怒り」については、泰子がブログに書きました。→)
先日、埼玉県の放射能汚染マップが、文部科学省より発表されました。数日後の東京・神奈川の分と合わせて、東日本への、福島原発事故による放射能の拡散の様子が、一目で見ることができるようになりました。これから何十年も、この放射能汚染と向き合って生きていかなければなりません。私たちに出来ることは何でしょうか?
福島の怒りを思い浮かべながら、私たちは、「『原発』国民投票」を実現させて、原発をなくしたいと思っています。署名を集めてくださる方、用紙をお渡ししますので、お声をかけてください。(10月10日記 泰子)