◆さと・うめ・いち・さく
「うちの里の畑の梅の一本が開花」という意味です。今年は3月10日。熊谷気象台の記録では、3月4日が梅開花日、平年より3週間ほど遅く、春が足踏みしていたのがわかります。
「菜園たより」発行も遅れに遅れ、1か月ぶりに書いています。その間に、種まき、定植などの畑仕事もなんとかかんとか、大豆の選別の目途をつけて、自家製こうじ作りと味噌仕込みを遂行、そして育苗用の温床がよっこらしょと踏込終わってやっと稼働、夏野菜のトマト・ナス・キュウリの種を例年より10日ほど遅れて蒔くことができました。また、季節が巡ってきたことに感謝しています。
◆議会への請願のその後
このひと月、生業と並んで、私たちにとっての重要課題となっていたのが、「原発国民投票の実現について」の寄居町3月議会への請願活動でした。1135筆の署名をいただき、「寄居町 耕す人の会」の会議や3名の紹介議員さんとの勉強会を重ね、3月2日の本会議を迎えました。
議会事務局が私たちの請願文を読み上げ、紹介議員代表による請願の趣旨説明に始まる他の議員との質疑応答は1時間を越え、私たちは身を乗り出して傍聴していました。その後議案が付託された5日の専門委員会(紹介議員は、別の委員会に所属する)では、請願に賛成1名、反対1名、継続審議支持5名ということで、本会議での採決は行われず、次の議会での継続審議が決まりました。
「原発の在りようを決めるのは、私たち国民一人一人なのだ」という私たちの想いは、すぐには多くの議員に届かなかったけれど、寄居町議会で4名の理解してくれる議員を得ることができたことは、大きな成果です。他の議員にも「一石を投じた」意味はあったと思います。また、この請願をきっかけに、被災地支援の活動や放射能から子どもを守る活動をしている若い人たちと知り合えたことも、うれしいことです。今後も寄居町から、原発国民投票の実現に向けて、何ができるか色々相談していきます。
◆寄居の野菜の放射能測定
▼「野の扉」が参加する「よりい輪組」の白菜と大根を、出荷先の東京の自然食品店「輪屋」さんが、調べてくれました。セシウム不検出で、「5ベクレル/キロ以下」という結果でした。(上が、「輪屋ニュースレター」3月号の記事 クリックするともう少し読みやすくなります)
昨年6月収穫の近所の先輩のジャガイモが1ベクレル/キロ以下の不検出でしたし、それ以降は厚生省が発表する他県の結果や、生協などの業者の発表に目を凝らし、ここらへんの野菜は10ベクレル/キロ以下であろう、と推定し、皆さまにも購入していただいていました。 もっと空間線量の高い関東の他地域の野菜も、ほとんど10ベクレル/キロ以下の不検出、2~1ベクレル/キロ以下の結果も出てきています。(3月10日 泰子)
▼数値、道理から目を離すことはありませんが、今私たちが抱えている課題は、多岐にわたり、しかも根深く、表層的な数値・数量合わせや代替案でしのげるものとも思えません。
私は、「原始力」の「発現」を提案します。折にふれ種々の可能性を呼びかけていきたいとも思います。「原始時代に帰れ!」といった趣旨ではありません。自然が底知れぬ力を秘めている様に、人もまた自然の一部、善悪はさておき相当のものをうちに宿しています。見渡せば、身の回りには、原始力の発露、ヒントや糸口が見つかります。用心深く、目ざめていければと思います。数値や道理もこんな時頼もしい知恵、味方となります。(晃)