(2010年8月4日発行)
少しずつ工房内の暑さにもなれてきました。先日は小屋全体をよしずで囲い、夏対策をやりつくしました。
(右の写真は、紙版同様、モノクロを載せました。下のは、反対側ですクリックすると拡大)
酵母の管理も、手間と工夫によって良い状態を保てるようになりました。天然酵母の製パンに向いた活動温度の変化の違いで、ここまで製品に違いが出るのかと、気づかされた暑い1ヶ月でした。粉と塩と水だけで膨らませてくれる酵母に、改めて感謝し、これからも働き者の酵母菌を受け継いでいくことで、最終的に自信を持ってパンを届けることができると思いました。
パンを焼き始めた頃より、ずっと、レシピも作業工程も複雑化しています。今、思い返してみると、最初は本当に思慮不足だったなあと恥ずかしいくらいです。何年、何十年経っても今の経験を忘れずに、終わることのないパンの世界を一歩ずつ進んで行きたいです。
★ ライ麦粉について
色々な製パン用の粉の中で、今月は、ライ麦粉について書きます。
ライ麦は、ロシアやヨーロッパ全土で栽培されています。痩せ地や寒冷な土地でも良く育ち、ライ麦パンは、はるか昔から、農民たちによって「パン・ペイザン」(農夫のパン)として食べられてきました。
日本では主にドイツ産と北海道産が流通しています。北海道産はまだまだ栽培が安定していないのと、政府による買取システムがないという理由で、輸入ライ麦の2倍近い価格になってしまいます。個人的には北海道産のほうが色黒で香りがいいような気がします。
ライ麦粉とは実を丸ごと挽いた全粒粉を指し、粗挽き・中挽き・細挽き・ライフラワー(極細挽き)に分けられます。
ライ麦にはパンが膨らむ骨格を作るグルテンが無く、小麦粉と混ぜるとグルテンを壊す働きをするので、小麦粉だけのパンとはレシピや作業工程に違いがあります。ライ麦パン(ドイツパン!?)は、サワー種という天然酵母を使い、生地の酸度を上げることによって、生地を安定させ香りを良くします。ライ麦パンに特有の酸味が生まれるのはそのためです。ライ麦は小麦に比べ食物繊維が豊富で滋養も富んでいます。また、サワー種は、酸度が高いので雑菌が繁殖しにくく日持ちもします。日本ではまだまだ存在が薄いですが、初めて食べる人にも受け入れられるようなライ麦パンを焼いていきたいです。
・・・ライ麦パンは「サワー種とイーストを併用するのが一般的」と言われていますが自分はイースト菌を使っていません。ちょっとした自慢です。社会一般の人にとっては何の面白みも無く、至らない説明文ですが、少しでも「パン」について興味を持っていただけたら幸いです。来月は、特殊な粉について、書きます。
★8月のパンの種類・値段
new ノラ・スコーン 1個 ○○円
3個以上のご注文でお願いいたします。自家産小麦のみで作りました。サクサク・ザクザク。全粒粉の香ばしさとバターの豊かな香りがあります。
原材料 自家産小麦・バター・蜂蜜・牛乳・自家産全粒粉・海塩
ノラ・カンパーニュ ホール500g=○○○円 ハーフ250g=○○○円
配合などは全て元祖「ノラ・カンパーニュ」と同じですが、小麦は自家産の代わりに群馬県産石臼挽き粉を使っています。濃厚な味と香りです。・・・「元祖」より30円安いです。
原材料 自家産小麦・自家産全粒粉・自家製天然酵母・海塩
蜂蜜とバターを使ったしっとり食パンです。イーストに頼らない、天然酵母のほのかな甘みとやさしい口当たりが自慢です。
原材料 群馬県産小麦・自家製天然酵母・国産蜂蜜・バター・海塩
ノラ・バケット 1本 ○○○円
全粒粉20%の生地をバケットにしました。バリッとした皮と不均等にあいた気泡が特徴、香ばしいにおいが食卓を賑やかにします。
原材料 群馬県産小麦(石臼挽き粉)・自家製天然酵母・自家産全粒粉・海塩
れーずんとくるみのパン ホール500g=○○○円 ハーフ250g=○○○円
全粒粉20%の生地にレーズンとクルミを練りこみました。この最高の組み合わせにアクセントとして柚子の蜂蜜漬けを加えました。原材料 群馬県産小麦(石臼挽き粉)・自家製天然酵母・自家産全粒粉・カルフォルニア産レーズン・カルフォルニア産クルミ・お隣さんで採れた柚子の蜂蜜漬け・海塩
1本 700g=000円 ハーフ 350g=000円
バター・蜂蜜・卵・牛乳をふんだんに使った生地にレーズンを60%練りこみました。極上の口どけと香りです。ちょっと贅沢なおやつにどうぞ。
ホール400g=000円 ハーフ200g=000円
ライ麦50%入りのどっしりとしたドイツパンです。深い味わいともっちりとした食感が特徴です。チーズや肉との相性も最高です。まずは、焼かずにどうぞ。原材料 群馬県産小麦・北海道産ライ麦・自家製天然酵母・自家製ライサワー種・海塩
* 恐竜のライ麦パンは、ホール・ハーフともにスライスしてのお届けになります。