5月2日、埼玉県は、「牧草の放射性物質モニタリング調査」において、「4月22日に県内3か所の牧草を採取し、分析を行ったところ、一部の試料で放射性ヨウ素および放射性セシウムの暫定許容値を上回りました。」と発表しました。(県のHPの該当ページ)
具体的な数値などは、下の表をご覧ください。
野菜の調査と異なり、牧草の場合は洗わないで測りますし、牛が大量に摂取するなどの理由から、検出した放射性ヨウ素とセシウムの許容値自体が非常に厳しいものになっていますが、私たちがお届けしている野菜にも関係するニュースであると思い、皆さまへお伝えします。
私たちは、今後の問題は、土壌への放射性物質の影響だと考えます。
埼玉県では、3月29~30日に4地点での土壌を採取して、「農用地土壌中の放射性セシウムの調査」を行なっています。その結果は、原子力災害対策本部が示した土壌中放射性セシウム濃度の上限値を下回っていました。(県のサイトの該当ページ)
しかしながら、この、牧草への許容値を越える放射性物質の影響を踏まえて、県および寄居町に対して、もっと私たちに身近なポイントでの土壌の調査を要請していきたいと思います。そして今後とも、皆さまに経過報告をしていくつもりです。よろしくお願いいたします。(5月6日)
◆牧草の放射性物質モニタリング調査 (※これまで県では、畜産農家に対し、国の指導に基づき、原発事故後(3月11日以降)に収穫した牧草の給与や放牧の自粛を要請しています。)
↓表の単位は、1キロ当たりベクレル(Bq/kg)
野菜の暫定規制値は、ヨウ素2000Bq/kgセシウム500Bq/kg です。
放射性ヨウ素 | 放射性セシウム | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
粗飼料中の暫定許容値(乳用牛) | 70 | 300 | ||||
埼玉県 (4月22日採取) | 熊谷市 | 90 | 420 | |||
鶴ヶ島市 | 30 | 230 | ||||
東秩父村 | 60 | 340 | ||||
福島県 (4月27日採取) | 福島市 | 26 | 770 | |||
田村市 | 120 | 2700 | ||||
相馬市 | 170 | 9200 | ||||
栃木県 (4月27日採取) | 那須町 | 20 | 910 | |||
足利市 | 90 | 650 | ||||
千葉県 (4月21日採取) | 八街市 | 90 | 350 | |||
市原市 | 230 | 1110 |
◆農用地土壌中の放射性セシウムの調査 (採取日 3月29月~30日)
採取地は、すべて埼玉県農林総合研究センター等の管理ほ場
検出された値は乾土1kg当たりのもの
原子力災害対策本部により示された、玄米中の放射性セシウム濃 度が食品衛生法上の暫定規制値(500 Bq/Kg)以下となる、土壌中放射性セシウム濃度の上限値は、1キロ当たり5000ベクレルということです。
採取地域 | 放射性セシウム |
---|---|
熊谷市 | 16ベクレル |
秩父市 | 109ベクレル |
久喜市 | 82ベクレル |
鶴ヶ島市 | 検出せず |
以下は、紙版の「たより」には載せませんでしたが、埼玉県での「過去に実施した放射性物質の農畜産物への影響調査」を表にしてみたものです。参考まで。
暫定規制値 |
検出値 |
3月20日 |
3月24日 |
3月29日 |
4月5日 |
4月12日 |
4月19日 |
4月26日 |
5月3日 |
||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ホウレンソウ |
放射性ヨウ素 |
2000 |
最小値 |
570 |
710 |
410 |
120 |
45 |
ND |
ND |
ND |
最大値 |
1900 |
1100 |
530 |
160 |
84 |
ND |
ND |
ND |
|||
放射性セシウム |
500 |
最小値 |
50 |
26 |
58 |
24 |
12.1 |
ND |
ND |
ND |
|
最大値 |
173 |
102 |
61 |
32 |
51 |
12.6 |
11.7 |
ND |
|||
小松菜 |
放射性ヨウ素 |
2000 |
最小値 |
660 |
240 |
55 |
ND |
ND |
ND |
ND |
|
最大値 |
1000 |
540 |
140 |
ND |
ND |
ND |
ND |
||||
放射性セシウム |
500 |
最小値 |
16.2 |
26 |
ND |
ND |
ND |
ND |
ND |
||
最大値 |
32 |
37 |
44 |
5.5 |
15.2 |
ND |
ND |