◆気付きの秋
気象の乱れは、いよいよ激しさを増している、と、実感しながらも、何とか付いていこうと、手を尽くす日々です。
この国の秋の作柄を心配しつつ、かなたの農民の奮闘にもエールを送りたいな。どうか、折れることなく、食べ物を作ってください、と、祈るような気持ちにもなります。
人は生き延びながらも、全速力で変わっていかなければならないと思います。畑に入る道のとっつきに、2つの村落の氏神様の社が、小高くあります。毎日、その前を通るのですが、私達を生かしてくれている、とてつもなく大きくて、尊いものを汚したら、結局のところ、私達がその報いを受けるのは当たり前のことなのだなと思います。
私は、何か特定の宗教を信じる者ではないのですが、今はほとんど忘れられた、昔ながらの知恵の奥深さに、今頃気づこうといている、この頃です。(晃)
◆天国と地獄
畑で、ぴょんぴょんする者といったら、コオロギかバッタか、というのが常ですが、今年は、カエル。それも、緑のアマガエルではなく、濃茶のガマガエル(?)です。
田んぼからは数10メートル離れているのに、7月頃から、米粒くらいのぴょんぴょんする者達が、往来していました。近くを歩くと、葉物にかけた防虫ネットに飛びついて登って逃げようと必死になるので、ちょっとかわいそう。そうこうするうち、少しずつサイズも大きくなって、なんだか、思案しているような顔で、あたりを窺ったりしているので、心の中で話しかけます。
「肉食系だよね、うん、頼りにしているからね、頑張ってね」
去年は日照りで、ヨトウムシ地獄を味わいましたが、今年は繰り返しの梅雨で、害虫全体の繁殖が抑えられているようですし、肉食系の助っ人のおかげもあってか、今のところ、イモムシ天国は出現しておりません。ただ、野菜の生育自体も、遅れ気味でして、元気なのは、草ばかり、というのが実情です。
◆福島の桃
これは、福島県須賀川市の、桃です。先日、縁ある方から、いただきました。両手で支えるくらい大きな、立派な、桃でした。
果樹園のチラシと一緒に、放射性物質の検査結果の資料も添えられていました。福島県が実施している検査では、消費者の誤解を解けない、と思ったからでしょうか。高い検査費用を払って、自分の桃を調べてもらった、「検出せず(検出限界20ベクレル/キロ)」の報告書です。
桃を食べながら、夫は泣いていました。(8月29日 泰子)