■ 霧の中で
大震災から2週ほどたち、ガソリンの供給不足は解消に向かっているようですが、先週は、「暫定規制値」を越える放射性物質を検出した、農作物や飲料水についてのニュースが飛び交いました。
埼玉県のHPには、
「3月20日の調査ではホウレンソウ、3月22日の調査では原乳、3月24日の調査では葉物野菜(ホウレンソウ、コマツナ、ミズナ)を対象に調査を実施しましたが、いずれの調査でも全ての検体で暫定規制値を下回っており、(埼玉県産の農畜産物の)安全性に問題はありません。(3月25日付)」
とあります。
しかしながら、福島原発での事故による放射性物質は、関東一円に飛散しました。
何を選択することが正しいのか、何が「真実」なのか、これまで考えずに選んできたことを丁寧に見直していかなくてはならないような状況に、皆が置かれてしまいました。
原発から発する霧と皆の喧騒とで、互いの顔も見えず、声も届きにくい中、不安や恐れとが、ネット世界の反響もあいまって増幅し、いっそう霧を深めています。
霧の中で、百姓は、地べたにはりついて、定点となります。私達を測ってみてください。
■ 定点
栃木の那須烏山の地に舞い戻り、すっくと立つ、翼君。“耕吉”(翼君の農園名。ブログはここ)は、ひるまず、淡々とその歩みを始めようとしています。
本拠地(料理教室を主宰していた、神奈川県葉山)から余儀なく退避されても、なお、強度の集中力を保ち、このときも、目ざましい仕事をされている、白崎裕子さん。(ブログは、ここ。調理係をしている「梟城」のサイトは、ここ)
遠く離れても、敬愛する人たちのメッセージは、私たちを鼓舞してくれます。
天地定まらず、日々流れそうな私たちも、ふんばって、始まったばかりの、おそらく長期にわたる再起への行進の列の中にあります。
みんなの毎日を支える、お台所を支える仕事が、周到に、息長くできるよう心がけます。(二人について詳しくは、「耕吉 翼」「白崎裕子」で検索すると、HPおよびブログにたどり着くことができますので、ごらんください。 うちのブログからもリンクされています。)
■ ノラのパン
2月の「たより」では「パンの製造販売の営業許可を正式に得るための施設の建設に着手する」、と書きましたが、大震災・原発事故後の電力供給の不安定な状況の中、当面は計画自体をいったん棚上げすることにしました。詳しくは、「パン通信」に書かれることと思います。
■ おわび
① 最後のジャガイモ「マチルダ」について、皮をむくと、中が黒くなっているものが多い、というお客様からのご指摘がありました。打撲あるいは凍害のせいかと思われますが、食することのできないものを、お送りしてしまったことを深くお詫びいたします。
② レタス類にアブラムシがついてしまいました。ぬるま湯でふり洗いしてから使ってください。(3月28日)