◆いつもと違う梅雨
「異常」とか「はずれ」とかに慣れっこになっていますと、今年のように、「梅雨らしい梅雨」になると、逆に落ち着きません。
春の低温で、まだまだ作物は例年より遅れての生育ですので、ここでゆっくりしていた夏野菜たちも、やはり遅れ気味。とはいえ、ハウスのキュウリは、皆さまにお届けできるようになりましたし、トマトもちょっと赤らんできています。乾燥でアブラムシが大発生した露地のナスやピーマンの樹も、何とか立ち直りを見せ、実も付いてきました。
作業の方も遅れ続けていて、玉ねぎは収穫し終わりましたが、ジャガイモはまだ収穫適期に至らないものがほとんどですし、例年ならもう集め終わってほっとしているはずの麦わらも、土曜日から水気で重たくなったのを集め始めたところです。
年々この麦わら集めが過重になってきているので、カボチャの間などには「マルチ麦」というカバープランツを作るようにして、集める量を減らしています。それでも、やはり今年も軽トラック10台分くらいは集めなければ。うちの小麦も刈り時が近い…。(さし絵は、照手の、「コスレタスの羽根」)
◆「ノラのパン」工房、着工
「枝分かれした洞窟の中で、幾度となく、つまずいてきましたが、少し自信を持って歩けるようになりました。支えてくれた皆さんに感謝です。」
と、「ノラのパン通信」の中で、雪丸がご報告しましたが、6月8日に、パン製造所となる建物の建設が始まりました。
今までは、家庭用の2倍ほどの大きさのオーブンで焼いていましたが、いよいよ、1辺が150cmほどの立方体の、大きなオーブンも備えた、正式のパン屋になります。 予定では、8月はお休みをいただき、9月より新装開店・正式開業となります。よろしくお願いします。
◆ 寄居町での放射線量
前号でお伝えしたように、埼玉県が県内での放射線量の測定に着手して、各地の結果が、発表されてきています。ここ、寄居町でも、先週の6月15日付けで、「町内小・中学校、公立保育所の校庭等における放射線量測定結果について」が公表されました。
地表付近での測定値が、0.07~0.14マイクロシーベルト毎時、ということで、これは、国際放射線防護委員会が定める平常時の基準である年間1ミリシーベルト(0.19マイクロシーベルト毎時)を下回っていますが、事故の影響は明らかですので、今後も見守って行きたいです。
また、埼玉県内の各地の野菜の検査では、4月26日以降、放射性物質は、「検出せず」です。この「検出せず」というのは、検査機器で測定できる定量下限値未満、ということだそうです。寄居町の土壌の検査は、いまだ、行なわれていませんし、土壌から作物への放射性物質の移行についてのはっきりした係数はわかっていないようですので、私たちの作る野菜それぞれの汚染状況は、これらから類推するほかありません。
引き続き、県を主体とした検査測定は行なわれるようですので、今後も皆さまにお伝えするつもりです、もっと甚大な被害を受けている地域の人々のことを、思い浮かべながら。(6月20日 泰子)