(2010年9月3日発行)
毎月、残暑厳しい中、文章ばかりのパン通信を読んでくださり本当にありがとうございます。
来月10月のパンには新商品はありませんが、今試作を重ねている「トマトとくるみのパン」の紹介をしたいと思います。
トマトとくるみ?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、相性は抜群です。自家用のキズものトマトを窯でじっくりとドライトマトにして、刻んだ自家製ニンニクと一緒にオリーブオイルに漬けました。ドライトマトにすると、本来の量の10分の1くらいになってしまいます。その代わりに旨みもぎゅっと濃縮されていてトマトとは思えない旨味になります。ホールのパン1個に約400g分のトマトを入れようと思っています。
この貴重なドライトマトとローストクルミのパン、自分が大好きなパンができたらいいな思っています。どうぞ楽しみにしていて下さい。★ 粉のあれこれ
製パン用粉には様々な種類があります。珍しいものも含め色々紹介します。今回は特殊粉についてです。
特殊粉の中にはミックス粉・米粉・デュラム粉など未知の材料がたくさんあります。
ミックス粉とはほとんどの材料が粉状になっていて、あらかじめ混ぜてある物を指します。様々な種類があり食パン用からライ麦パン用・マフィン粉・ドーナツ粉・蒸しパン粉・・・何でもあります。ミックス粉があれば水や牛乳を加えるだけでレシピを考えなくてもバラエティに富んだパン屋ができます!?
自分もパンの修業中に、いろいろ使いましたが便利だなーと思っていました。しかし全てが粉状に加工されていることの不信感と、やはり偽物っぽい感じは否定できません。ただ、ミックス粉をベースにして、手を加えることによって効率性とオリジナリティを上げることができると思います。次はデュラム粉についてですが、ご存知のとおりパスタ用の粉です。グルテンがしっかりあり、パン用小麦粉としてイタリアでは伝統的に食べられてきました。日本でも、最近、大手の製粉会社で扱われるようになってきました。特徴として、コクと甘みが強く歯切れが良いそうです。そしてパンの内相はクリーム色。一度は食べてみたいです。
最後はメディアなどでよく取り扱われるようになった米粉パンについてです。米粉はグルテンが無いので、小麦粉に混ぜたり、米粉本位で作る場合は、小麦グルテン粉を足さなければ膨らみません。周りの人から「作らないの?」とよく聞かれます。自分自身、まだ美味しい米粉パンに出会っていないのと、お米と小麦を混ぜることに、少し抵抗があるという理由で実現していません。自分がもっと腕を上げて、米粉パンブームが落ち着いたらチャレンジしてみたいと思います。
今回、紹介した他にも、煎り玄米粉・トウモロコシ粉・どんぐり粉などがあります。伝統的に受け継がれてきたもの、新たに見出された材料、世界の主食であるパンはこれからも創意工夫されていくと思いました。
★10月のパンの種類・値段
くるみパン 1個300g=○○○円全粒粉20%入りの生地にローストクルミを練りこみました。天然酵母とくるみのおいしい相性。飽きのこない、いつでも食べたいクルミパンを目指しました。
原材料 群馬県産小麦(石臼挽き粉)・自家製天然酵母・自家産全粒粉・カルフォルニア産クルミ・海塩
ノラ・カンパーニュ ホール500g=○○○円 ハーフ250g=○○○円
1配合などは全て元祖「ノラ・カンパーニュ」と同じですが、小麦は自家産の代わりに群馬県産石臼挽き粉を使っています。濃厚な味と香りです。・・・「元祖」より30円安いです。
原材料 群馬県産小麦(石臼挽き粉)・自家製天然酵母・自家産全粒粉・海塩
原材料 群馬県産小麦・自家製天然酵母・国産蜂蜜・バター・海塩
れーずんとくるみのパン ホール500g=○○○円 ハーフ250g=○○○円
全粒粉20%の生地にレーズンとクルミを練りこみました。この最高の組み合わせにアクセントとして柚子の蜂蜜漬けを加えました。原材料 群馬県産小麦(石臼挽き粉)・自家製天然酵母・自家産全粒粉・カルフォルニア産レーズン・カルフォルニア産クルミ・お隣さんで採れた柚子の蜂蜜漬け・海塩
パッション・ライ・カンパーニュ ホール500g=○○○円 ハーフ250g=○○○円
ライ麦全粒粉を30%入れたカンパーニュです。サワー種がコクと香りをかもします。初めてライ麦パンを食べる方にもおすすめです。原材料 群馬県産小麦(石臼挽き粉)・北海道産ライ麦・自家製天然酵母・自家製サワー種・海塩
原材料 群馬県産小麦(石臼挽き粉)・北海道産ライ麦・自家製天然酵母・自家製サワー種・海塩
ノラ・バケット 1本 ○○○円
全粒粉20%の生地をバケットにしました。バリッとした皮と不均等にあいた気泡が特徴、香ばしいにおいが食卓を賑やかにします。
原材料 群馬県産小麦(石臼挽き粉)・自家製天然酵母・自家産全粒粉・海塩