◆ホタルの里
先週、ホタルを見ました。
庭から続く棚田で無農薬米を作り、ホタルが生きる環境を育んでいる、その方の「ほら、ほら。ほらほら」という声に、目を向けると、何とも可憐な光が、いくつもいくつも、草や木々のあわいに、見えかくれしているのでした。
街の明るさや際限のない人の欲望に、居場所を失っていく小さな光を、自らの労働で守り育んでいくこと。そのいとしさに気が遠くなるような夜でした。
ああ、どこかで、いつだって、人知れず、こんな風に、見返りを求めない、色々な人の営為が、私たちのふるさとを支えていたんだろうと、思う夜でした。
振り返れば、ふるさとを奪われ、帰れない人々の姿が見えます。不安の中で暮らす人々の姿も。何が私たちにできるのだろうと思います。正解などありませんが、全ての人の心の中にあるふるさとに、重ね合わせるようにして、向かうべき方向を見つけたいと思います。
◆麦仕事の向こう
この春から夏に向けての作付けでは、初心に戻って、なるべく使い捨てのポリマルチを使わないで野菜を育てるようにしていました。キャベツ類やレタスは、少々の草の中で取り上げ、一部の夏野菜にはポリマルチの代わりに去年集めた麦わらを使い、使い尽くしたら、除草を続けました。
今年は小麦の生育が遅れていて、麦わらの入手も遅れました。そして台風などの天候も重なり、すれすれタッチアンドゴーの麦わら集め。そして、うちの小麦の刈り取り(中古のコンバインのご機嫌をうかがいつつ、数日かけた)も日曜日に完了。と、麦仕事のピークを越えて見たら、畑中の草がモリモリと繁っていました。
まだまだ、麦わらを敷き詰めなければならないところもあるし、収穫に手間のかかる夏野菜も増えてきつつあり、疲労のぬけないわが身です。
そんなこんなで、「たより」の発行も滞っております。「便りのないのはよい便り」と、いつまでもご無沙汰するわけにも行かず、不十分な形ですが、3週間ぶりの「たより」です。
◆「原発国民投票の実現について」の請願は否決
昨年から準備して、寄居町3月議会に1135筆の署名を添えて提出した、「寄居町耕す人の会」の請願は、6月議会で継続審議され、委員会で反対多数で否決、本会議でも反対多数で否決されました。
結局、請願の紹介議員となった3名の議員さんと、共産党の議員1名しか、私達の請願の真意を理解しようとしてくれませんでした。大変残念です。しかしながら、寄居町の議会だより5月号には、しっかりと3月議会でのこの4議員の賛成意見が掲載され、町内全戸に配られましたし、6月議会最終日21日の、K議員の「全身全霊をかけての」賛成意見には、反対した議員も心を動かされたようです。(K議員のブログにこの賛成論の全文が掲載されています。http://bit.ly/Lmrzzl 前記事も併せてお読みください)
32万筆の直接請求の署名を添えて都議会にかけられた「原発都民投票条例案」も、議会制民主主義の名の下に退けられましたが、直接民主主義のうねりは、消えたわけではありません。
私達の思いを伝えてくれる人を選ぼう、と、小さな町でも、都会でも、間接民主主義の中身は、これまでとは違ったものになっていくはずです。(6月27日 泰子)