菜園 「野の扉」

~ 1993年の開園以来、埼玉県寄居町で、農薬と化学肥料を一切使わず 野菜を作っている、新規就農の百姓です。

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亡国のセンチメンタリズム~石原都知事へ

(5月10日に、みんなで決めよう!「原発」都民投票 本請求が行われました。
関連記事の一覧が、東京都民投票有志のブログにまとまっています。→ 「たくさんのTVニュースで放送されました!」http://bit.ly/K9zZEJ)
以下は、5月11日の夜、東京新聞読書欄に、晃が投稿した文章です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


原発都民投票を求める東京都民の動きに対し、都知事が的外れな発言を繰り返しています。

知事自身のセンチメンタリズムを都民に押し付けているように思えます。
彼の常日頃の発言には他者や環境に対する共感の情が感じられません。大河ドラマではありませんが、民草にセンチメンタルな情を持たない政治家は願い下げです。思考停止の只中で独特なヒロイズムにでもしがみついているのでしょうか。

そもそも今回なされた請求は、過ち、失敗に伴う後悔や悔悟の情の発露にとどまらず、困難に立ち向かい、共により良い未来を模索するための提案です。センチメンタルな心境を否定することなく立ち上がる時、訂正、再生、復興が可能となるはずです。
今や、破滅を回避し、国のありようを再構築することが求められています。
国家といえども、海、山、耕地があって初めて存立できるのです。これらが傷つけられ、害された時、自律する国家を維持できるはずもありません。
私も含め多くの人が気づいた冷徹な摂理です。人は高ぶることなく、この摂理に調和する様努めなければならないのです。

都民がセンチメントを脱し踏み出そうとしている時に、都知事は自身の後ろ向きなこだわりを都民に押し付けようとしています。
不可解なこだわりは、たぶん亡国のセンチメンタリズムに他なりません。

 

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投稿情報: 2012/06/06 | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2012年5月2週号

降るものは、拒めず

昼食後、北西方向の雲がただごとでない様相なので、パソコンでもう一度雷雲の動きを見てみる。昼食前とは一変していて、勢力を増大させながら迫りくる雷雲画像を確認する。念のため、竜巻予報をクリックすると、レベル2を示す桃色が、ここいらへんを直撃する予報が示される。
わが家の北西側は、はるか先まで開けた畑なので、この方角の窓を開け放ち、雲の動きを観察することにした。


墨色の雲の、最先端下部に、白くうねる形の竜の姿をした雲が、進行方向と直行する方向に体を向け、猛烈なスピードで近づいてきた。様相はものすごいのに、微風程度でおだやかだったあたりが急変したのは、竜が頭上を越えようとしたときです。


ほぼ30分にわたって、ひょうは降りました。畑の光景を思い浮かべながらも、何もかもを打ち付けるけたたましい騒音の中で、眺めつづけるだけでした。

ただ配るばかりの天を頼りに生きている我々は、顔は笑って「天の配剤とはいえ、丸薬がちと大きすぎた」、などとやり過ごすのだけど、地域ではもっとも頼りがいがあった最古参の引退が始まっています。ささやかであっても、明るい花道が用意されてしかるべき時に、天も地も次々と容赦なく、残酷ですらあります。

せめて、人の手による背信行為、裏切りは改めたい。

6月の地方議会が始まろうとしています。不相応と思えぬ、我ら(「寄居町 耕す人の会」)の声が、寄居町議会議員の耳に届くことを願っています。(注 この項については、この記事を参照してください)

次週は、ひょう害に関して、冷静に状況を詳細にご報告いたします。(晃)

 

(次の写真は、サムネール版を順番にクリックしてください。①うちの縁側から ②雨どいの下 ③パオパオが突風ではがれた白菜 ④パン用小麦ニシノカオリ(この後も毎日どんどん身が落ちる) ⑤2日前に被覆資材を外して支柱を差したナス

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 以上は、5月28日(月曜)の寄居町での「100年に一度」のひょうを受けてのつぶやきでした。写真を見て少し想像していただければと思いますが、今後長きにわたっての、野菜の不足、質の低下などが、予想されます。どうぞ、ご理解いただくようお願いいたします。(5月30日 泰子)

 

投稿情報: 2012/06/03 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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JAからの返事と、JAの脱原発宣言

当記事は、資料として、web担当が4月の記事~JAに向けて~「原発」国民投票実現のために~  のその後のことを、まとめてみます。

上記記事にあるように、JA全中に向けて送信したところ、①のようなお返事をいただきました。(後半の文章は、返事が来ないので、再度送信したことに対する返事です。当方が送信ミスしたようです。)

それに対する晃の返信が②です。

そして、③に、知人より情報をもらった、JAの脱原発宣言についての新聞記事を載せます。なお、13日現在、文中にある「11日に公表される」は確認できていません。

 

①JA全中からの返事

HPにお問い合わせ頂きました件について(JA全中) 4月23日 伊藤 様

貴重なご意見ありがとうございます。

ご意見として頂いた「原発」について、JAグループまたJA全中では統一的見解はありません。
また、本会では「原発」について担当する部署も設置しておりません。
頂いた内容に関しましては、真摯に受け止めさせていただく所存です。

なお、先週同じ内容のものをご意見として、お送り頂いたとのことでしたが、
本会で確認致しましたところ、内容につきましては、データ上記録されておりませんでした。

何卒よろしくお願いいたします。

――――――――――――――
 全国農業協同組合中央会
 広報部 広報課

 

②お返事への返事

【JA 全中】お問い合わせ http://bit.ly/vggsbk より5月3日投稿

丁重なるお返事有難うございました。
JA全中内に、事故後も原発に関する部署のないこと、原発に関しての見解をまとめ、将来的に対処してゆこうという姿勢がないことに少し驚きましたが、原発事故で放射能にさらされ、様々な経験を経てなお原発とこの国の行く末にさほど関心を持てないなら致し方ありません。
私の印象からすれば、全中の関心は、我々現場農家の感覚と遠くかけ離れています。
簡単な方策がないことは誰もが理解しています。しかし、今こそこの国の将来の姿を模索すべき時だと、多くの人が考えています。また、農業者を始め、一次産業従事者なればこそ、放射能汚染の意味をより理解し、生命の流転の只中に生活するものとして、少数者であっても、伝えたいこと伝えるべきことがあります。
いつか、全中が、食糧生産を担う人々を束ねる立場を自覚され、経済活動のみならず、経済存立の基本条件を守る拠点となられんことを願っています。

 

③JAが「脱原発」明記

~西日本新聞 http://bit.ly/J1ajN3 より

★JAが「脱原発」明記 10月の全国大会議案
2012年5月10日 10:00 カテゴリー:社会


全国農業協同組合中央会(JA全中)などJAグループが、10月に東京で開く3年に1度の全国大会の議案に、「東日本大震災に伴う原発事故の教訓を踏まえると、JAグループとして将来的な脱原発を目指すべきと考えます」と明記することが9日、分かった。JAグループが原発への賛否について態度を明確にするのは初めて。

全国大会の議案は、今後3年間のJAグループ全体の取り組み方向を示すもので、大会議案審議会(委員長・万歳章JA全中会長)が昨年秋から内容を検討していた。11日に公表する。

原発に対しては、福島第1原発事故で広範囲の農産品が放射能に汚染されるなど多大な被害が出て、影響が続いていることを重視。議案では「安全な農産物を将来にわたって消費者に提供することはJAの使命」とし、脱原発を目標とする方針を書き込んだ。再生可能エネルギーの利活用も掲げ、太陽光や小水力、バイオマス資源など「地域のエネルギー資源を最大限活用できるよう取り組む」とした。

停止中の原発の再稼働や脱原発の時期については言及しないが、委員の一人は「原発事故で農業を行う環境を壊された。JAとして脱原発の方向性を示したことに意味がある」としている。

=2012/05/10付 西日本新聞朝刊=

 

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投稿情報: 2012/05/13 | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2012年5月2週号

 

Tomomi◆泥の海へ

畑に向かう道すがら、水溜りやら、泥水の流れやら、少しすさんだ風景の中に、車輪が沈みこみ傾いたまま置き去りにされた車がみえました。それも三台です。この季節めったにない記録的大雨に判断を狂わされたのでしょう。
『ぬかるなよ。』と自身にも言い聞かせ、こんな時は畑の中道などに車を乗り入れたりせずに、一輪車に頼って野菜を運びます。
もちろん人間はぬかります。長靴をはいた足は自由にならないので、四つんばいで大根を収穫しました。
そういえば今年はカタツムリが異様に多いです。
レタスやら、キャベツやら、外葉をよく食べています。こんな年もあるのだと感心したりしています。
難破車両といっしょに忘れえぬ光景となりそうです。(晃)

Terutenira1◆特別なGW

皆様も、雨にたたられた今年のゴールデンウィークだったと思います。5月に入って、寄居町では降雨量合計で200ミリ以上、一日でも100ミリを越え、台風以外ではありえない大雨でした。本当なら、畑仕事を、素足で駆けぬけるようにこなさなければならない時期なのに、雨の合い間に、長靴を難破させないようほんの少しずつ進めただけ。
でも、「山笑う」春が短くて、もう大爆笑の木々や、あっという間に穂を出した小麦の緑は、文句なく美しく、たまった仕事を片付けていく元気をくれます。うん、原発も全部止まっているし・・・

◆ケモノのその後

前号を書いた翌日、アライグマが、箱ワナに入りました。空腹に目がくらみ、勘が鈍ったのでしょうか。しかしながら、その後も、ケモノの気配が続いています。昨日は、近くの車道で、ハクビシン(アライグマに似ているけど、鼻筋が白い)がひかれているのを見ました。近辺で、3匹減ったけれど、もうすぐ生後2か月のヒナがやってくるので、油断は禁物、守りを固めています。

・・・今回は、ゴールデンウィーク特別号?で、カラー印刷にしてみました。切り絵は、出荷を手伝ってくれている「ちゆさん」の娘さん(陸上部で頑張る中学3年生)が作ったもの。下絵なしで切り抜いたそうです。写真は、連休に帰省してちょっと手伝ったうちの娘。ニラをきれいにしているところです。(5月7日 泰子)

 

投稿情報: 2012/05/11 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2012年4月4週号

◆お天道様 異変?

このところ、太陽の磁場の極(太陽にもN極S極があるらしい)に、予想外の変化が見られるという。2013年に両極の同時反転があると思われていたのに、2012年に一方の極のみの反転が進行していると観測されたとのこと。私たちの尺度から不変と思われがちな太陽も、その活動は消長を繰り返していて、わからないことが多いという。
意外なことに、頼みの大元のお天道様も、「いろいろあってね。」という訳で、大体OKだけど、何もかもとはいかない、営みがあるのだ。そんなことで、地球温暖化は一本調子で進まずに、江戸時代にあったような、数十年単位の寒冷化が起こる可能性もあるかもしれぬとのこと。

お天道様から黒い影が射してきて、私たちの未来は少し心細い。地球規模の冷害は、世界中に騒乱をもたらしかねない。地道な備え、心構えが大切だと言われているようだ。
まだまだバブルに生きる私たちに、少し冷たくなった星に耐える覚悟、勇気があればよいのだけど。(晃)


照手も3◆こどもたち

右は、4月のはじめ、大学4年になった春少しだけ帰省した娘が、半日畑を手伝ってくれた時の写真です。
一番向こうのマスクの子、いわゆる「就活」の時期で、スーツ着て一つ会社にも出かけていました。「就活」について私は無知ですが、何やら疲れがたまるらしく、先日送った野菜の中からパセリを描いてくれましたが、力不足か・・・
パセリ

その右にいる息子、半農半パン屋から、「ノラのパン」とうちの手伝いが、2対1くらいの比重になってきました。
これまで、卸させていただいていた、東京の「輪屋」さんと熊谷市の「おにっこはうす」さんに加えて、3月より、深谷市の「県農林公園」内の直売所での販売が始まり、生産量が増えました。野菜のお客様にも、ごひいきにしていただき、ありがたい限りです。
そろそろ、気温も急上昇、草も急成長が予想されるし、暑い季節はパンの売り上げが落ちますから、今から夏場の草退治の担い手として、息子に熱い期待を持っている、自分勝手な母です。


◆真犯人いまだ捕まらず

足跡23月末から、合計11羽が、ケモノにやられました。
延べ何十時間もかけた鶏小屋の修繕と、各種ワナのしかけによって、ここ10日ほどは被害は出ていません。途中で、大きなタヌキが捕まりましたが、とうてい狭いすき間や高い屋根の下の網を破ることはできそうもない奴です。その後も、ワナを上手にかわしたりしている様子から、相当な手練れと思われ、まだまだ知恵比べ続いています。(4月23日  泰子  左写真は、小屋の周りにまいた消石灰に残された足跡。長い指が、アライグマと思われる)

 

投稿情報: 2012/05/05 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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JAに向けて~「原発」国民投票実現のために

 

昨年来、菜園「野の扉」は、「みんなで決めよう原発国民投票」の活動に参加しています。

大阪「原発」市民投票(最近発表された「大阪市会議員の評価シート」はすごい!)と東京「原発」都民投票の署名活動が終了して、3月末付で、「111 万筆署名獲得を目指して本格的に収集活動を展開」という「原発」国民投票の活動方針(今後の詳しいスケジュール案はこちら)が発表されました。

埼玉県でも、県のホームサイトが稼働し始めて、以前からのイベントでの活動に加え、3月からは街頭署名活動も活発に行われています。

寄居町議会への「原発国民投票実現のための請願」活動が、継続審議となったいま、私たちも県内の様々な活動に可能な限り関わるつもりですが、農家としてJAへの働きかけを再開します。(去年の働きかけについては、「農協の不思議・この国の不思議」の記事にあります)

以下は、晃が、所属する「JAふかや」執行部に4月11日に届けたものです。

①JAへの要望 ②組合員への呼びかけ(案)

①については、4月12日に、JA 全中に対しても、お問い合わせフォームから、「以下の文書を昨日(11日)にJAふかやに届けました。全国レベルでの取り組みにならないと、単協では始められない、との回答でした。私は、「みんなで決めよう原発国民投票」http://kokumintohyo.com/ の賛同人です。JA全中がどのようなお考えをお持ちか、回答をお願いいたします。電話または面談で直接ご意見をうかがいたいです。」と添えて、投げかけました。

長くなりますが、読んでください。(以上はWEB担当)

 

①JAへの要望

★JAは、「原発」国民投票に、総力をあげて取り組んでください。

グローバルな世界経済の荒波にもまれ、日本の農業の弱体化は目を覆うばかりです。津波に奪われ、放射能に汚染され、農業の未来に希望を持てぬまま離農と高齢化による衰弱を放置すれば、この国が生きる基盤は跡形もなくなります。諦めたり退却を繰り返す余地はもうないのです。
放射能による物理的破壊はTPPがもたらす社会的経済的破壊と同様どうしても阻止しなければなりません。

JAがその立場を鮮明にし、例えば、
「みんなに等しく重要なみどりと命を守るためには、みんなの協力が必要です。」「水、土、空気はあらゆる命の根本です。これらが損なわれた時、国家も人間の生命経済活動も存続できません。」
と訴える時、多くの消費者の共感を必ずやうる事が出来ます。
JAだけがこのような国民的運動の要となることが出来ます。替わる組織は他にはないのです。組合員の力を集めることで、大きな破壊に立ち向かうのです。平らかでちょうどよい未来の実現を目指すのです。

JA組合員の多くは、今でも耕地の管理と食べもの作りを通して、耕地と深く関わっています。放射能汚染の程度はさまざまではありますが、どの地域においても、昨年の原発事故でもっとも影響を受けた人は、地域の自然環境に深く根ざす人々です。そうした農林、牧畜、水産業に携わる人々に一言の発言の機会も与えられぬまま、原発行政が、明確な反省とそれに基づく新たな指針も定めずに、継続されることに憤りを覚えます。

国民投票が実現されれば、すべての農家がそれぞれの思いを、一票に託すことができます。国民の一人として、責任を果たすことができます。
JAが国民投票に取り組むことは、その組合員一人一人の農への想いを伝える場を、組合員が協同して用意しようということです。

 

②組合員への呼びかけ(案)

大震災と、これに起因する福島第一原発の大事故から一年が過ぎました。
私たち農業者は、目に見えぬ放射能に神経をすり減らしながらも、様々な悪天候をしのぎ、今日を迎えました。
これまで同様、自然と向き合い、その恩恵にあずかり生かされてきた一年です。

しかし、私たち農業者は、あの時そうだったように、これから先も、目に見えず、音もなく、いつの間にか降り撒かれる放射性物質から、耕地を守ることはできません。

私たちの仕事は、命の糧を作ること、明日を生きる勇気と力の源、”食”を支えることです。
私たちの使命は、文字通り、生命線を守ることに尽きるのです。それはまた、今預かる耕地を守り、未来へと手渡すことでもあります。耕地を破壊する技術や、耕作を否定する社会の仕組みはしりぞけなければなりません。

現実に千年かけて培われた営み、今後千年も万年も継続することができた大切な営みが断たれた地域もあるのです。「命と緑を守る」という理念にかけて、この国の主権者の一人として責任を果す時です。

私たちは、原発国民投票の実施を求めます。
全国民の意志に基づき、原発を今後いかにするべきか決めるのです。
参加し、発言する場をみんなで作りましょう。

一票を投じることで、未来の人々へ伝えられること、遺したい大切なものがあります。

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投稿情報: 2012/04/14 | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2012年4月1週号


◆花も嵐も踏み越えて

散る花は、梅。嵐は、先週土曜日。普通この季節は、雨が降った翌日に大風が吹くのですが、この日は同時進行。熊谷では最大瞬間風速が20mを超えました。まくれてしまった、あちこちの畑の被覆資材を直したりと、余計な仕事が増えます。

次の日、ハウスの周囲の草取りをしていたら、ぽこっと出てきたのは、5cm位の薄茶色のカエル。寝ぼけて脱力状態。鎌の先で傷つけなかったことを確認してから、また浅く土の中へ戻してやりました。ハウスの中も外も、機械で耕耘するから、ちょうどそのはざ間でゆっくりしていたんですね。

手除草していると、クモもいっぱいするすると走るし、テントウムシもいて、黄色い卵が土くれや葉っぱの裏に産み付けてあったりします。育苗ハウスの中には、夏野菜の苗がどんどん増えてきました。自宅の去年壊れた巣を偵察に来た(?)ツバメの姿も見かけました。以下のような災難もありますが、今年も、春を迎えられたことに感謝です。(泰子)

 

◆用心棒求む

これでもかと気をもたされた春も、その正体は結局、重症の花粉症でした。多分、私の場合、花びら鼻水とともに去りぬ、となります。

あたりも、色とりどり賑わっています。春の草は力を得てもりもりとしてきましたし、鶏小屋は子育て真っ最中の害獣に襲われています。この時期、山には昨秋の木の実もなくなって、ハクビシン、あるいはアライグマも必死です。鶏を飼い始めて15年余り、もっとも手強い相手です。小屋の屋根の真下の金網をこじ開けて侵入しました。野犬のように、鶏たちを皆殺しにはしません。2度とも、2羽ずつその場で食って、来た穴から逃走。金網を難なく切り裂く、と聞いていたので、とうとうその日が来た、という感じです。
鶏小屋の内側外側と、防御を固めています。でも、これで完ぺきという訳にはいきません。相手の次の出方をうかがいます。

弱った農村には、野獣が次々と襲いかかりますが、よく見ると、人間の影がちらちら垣間見えます。人間が送ってよこす災いといえば、TPPや放射能といった化け物も、もうそこここに、確かにいるのです。(晃)

羊とまさるくんmini 20120320河原晃mini

(上の写真は、「実現させよう原発国民投票」のゼッケンをつけた、近所の若者と羊さん。3月20日、秩父のイベントに出演?して、好評だったそうです。今「みんなで決めよう原発国民投票」の埼玉賛同人会のホームページ http://saitama.kokumintohyo.com/ (「国民投票 埼玉」で検索してみてください)のトップを飾っています。下の写真は、同じ日の寄居町の玉淀河原、若者たちのラップミュージック満載のイベント。右端のおじさんが晃で、原発や放射能のことなど話して国民投票の署名いただきました。)(4月2日記)

 

投稿情報: 2012/04/03 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2012年3月2週号

◆さと・うめ・いち・さく

「うちの里の畑の梅の一本が開花」という意味です。今年は3月10日。熊谷気象台の記録では、3月4日が梅開花日、平年より3週間ほど遅く、春が足踏みしていたのがわかります。


「菜園たより」発行も遅れに遅れ、1か月ぶりに書いています。その間に、種まき、定植などの畑仕事もなんとかかんとか、大豆の選別の目途をつけて、自家製こうじ作りと味噌仕込みを遂行、そして育苗用の温床がよっこらしょと踏込終わってやっと稼働、夏野菜のトマト・ナス・キュウリの種を例年より10日ほど遅れて蒔くことができました。また、季節が巡ってきたことに感謝しています。


◆議会への請願のその後

このひと月、生業と並んで、私たちにとっての重要課題となっていたのが、「原発国民投票の実現について」の寄居町3月議会への請願活動でした。1135筆の署名をいただき、「寄居町 耕す人の会」の会議や3名の紹介議員さんとの勉強会を重ね、3月2日の本会議を迎えました。

議会事務局が私たちの請願文を読み上げ、紹介議員代表による請願の趣旨説明に始まる他の議員との質疑応答は1時間を越え、私たちは身を乗り出して傍聴していました。その後議案が付託された5日の専門委員会(紹介議員は、別の委員会に所属する)では、請願に賛成1名、反対1名、継続審議支持5名ということで、本会議での採決は行われず、次の議会での継続審議が決まりました。


「原発の在りようを決めるのは、私たち国民一人一人なのだ」という私たちの想いは、すぐには多くの議員に届かなかったけれど、寄居町議会で4名の理解してくれる議員を得ることができたことは、大きな成果です。他の議員にも「一石を投じた」意味はあったと思います。また、この請願をきっかけに、被災地支援の活動や放射能から子どもを守る活動をしている若い人たちと知り合えたことも、うれしいことです。今後も寄居町から、原発国民投票の実現に向けて、何ができるか色々相談していきます。


◆寄居の野菜の放射能測定

輪屋通信27号2012年3月mini

▼「野の扉」が参加する「よりい輪組」の白菜と大根を、出荷先の東京の自然食品店「輪屋」さんが、調べてくれました。セシウム不検出で、「5ベクレル/キロ以下」という結果でした。(上が、「輪屋ニュースレター」3月号の記事 クリックするともう少し読みやすくなります)

 昨年6月収穫の近所の先輩のジャガイモが1ベクレル/キロ以下の不検出でしたし、それ以降は厚生省が発表する他県の結果や、生協などの業者の発表に目を凝らし、ここらへんの野菜は10ベクレル/キロ以下であろう、と推定し、皆さまにも購入していただいていました。 もっと空間線量の高い関東の他地域の野菜も、ほとんど10ベクレル/キロ以下の不検出、2~1ベクレル/キロ以下の結果も出てきています。(3月10日 泰子)

 ▼数値、道理から目を離すことはありませんが、今私たちが抱えている課題は、多岐にわたり、しかも根深く、表層的な数値・数量合わせや代替案でしのげるものとも思えません。

 私は、「原始力」の「発現」を提案します。折にふれ種々の可能性を呼びかけていきたいとも思います。「原始時代に帰れ!」といった趣旨ではありません。自然が底知れぬ力を秘めている様に、人もまた自然の一部、善悪はさておき相当のものをうちに宿しています。見渡せば、身の回りには、原始力の発露、ヒントや糸口が見つかります。用心深く、目ざめていければと思います。数値や道理もこんな時頼もしい知恵、味方となります。(晃)

 

投稿情報: 2012/03/15 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2012年2月3週号

バベルの塔が崩れたあと、人々の話す言葉はてんでバラバラになり、通じ合えなくなったと言われています。
福島第一原発事故以来、私の言葉も、混乱を付け加えるばかりなのかな、と冷静に思います。
ここ数か月の間、何人かの先輩から、「心はみんな同じだよ」と、全く同じ言葉で、穏やかに諭されました。「安心して前に進みなさい」ととると、早とちりで、「言葉が通じず孤独を感じることはあっても、見、聞き、感じ取られた心象は共通している」ということなのかな、と、今では思っています。

菜っ葉1


あらゆる事象に、凸凹はつきものです。懐がとてつもなく深く底知れぬ世界の乱調の中に、小さな調和を見出し作り出すのが、生き物の営みです。
無表情に働き続ける巨人に翻弄されながら、その顔を捜し、一瞬の柔和な表情を生活基盤の出発点としています。しかし、かの無愛想な巨人も、生命軽視、無視の広大な宇宙の只中で、例外的に無数の生命を守り育てながら、掟を破ることなく勤めを果たしているのです。
見方を変えれば、生命誕生は、宇宙に魔が差したというか、一瞬のスキをついた試みなのではないかとも思えてきます。
何が試みられているかといえば、心の発生です。我々の営みは、宇宙に魂が生じる源となるのです。宇宙の孤独な無限運動は、魂をその中に生じることで、初めて満たされるかもしれません。
我々は、すべての生命と協同して、宇宙の精神を作り上げていくわけですから、人間は、その本分に則した調和を探究することになります。
さて、宇宙精神、というか、心や魂は、どうして生まれるのでしょうか?
それは、多分、人の心の形成をなぞるようになされます。一人の人間の心は、体内の全細胞、全組織の共同の上に生じます。ひとつぶの細胞は、この勤めを果たしますが、人の心の何たるかを知っているかどうか、自信はありません。
いつの日か、宇宙の魂のごときものが、この星に芽生えたとしても、一個の人間にその壮大な魂の姿が見えてくるとは思えません。ただ、宇宙は成長し、使命を知ることになるのです。たぶん・・・ (晃)

◆お願い~古新聞、ご不用のがありましたら、譲ってください。冬場は、新聞の消費量が多いので、不足気味です。よろしくお願いいたします。

◆寒波来襲~前号で、夫が「春の破れ目」などと書いたせいか、そのあと、大変気温が低下し、ヒーターを入れて保存してあったサツマイモが、ずい分と傷んでしまいました。キャベツも、凍りつき、間に氷が生じて圧迫されたところから、黒くなって傷んで来てしまいました。ブロッコリーは、大きくなる前に凍死するもの続出。ジャガイモも、マチルダという品種が、保存中に寒害で中に黒斑が入るものが増えてきたので、出荷停止に。残るは、シンシアという品種のみ。三浦大根も、土の中にあって凍害から免れた、下半分の姿でお届けです。
ということで、これから、春まで、厳しいセットつくりとなります。よろしくお願いします。


◆写真は、寒さに、粘り腰で耐えている、小松菜の茎です。甘いです。(2月12日 泰子)

 

 

投稿情報: 2012/02/19 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2012年1月4週号

角

◆ 早熟な冬の破れ目

ちぢこまった体で、「太陽は、仕事を思い出してほしい」と、陰気に願っています。

そして、おやっと思い、ひょっとして、とも考えます。大寒を挟んでの三日続きの曇天と慈雨は、破天荒な吉兆かもしれません。

冬はかなり疲れているのです。ここぞという所で、踏んばれず、底はしれているという感じです。

ここで、はたと考えてしまいます。  では、春が来たらどうだっけ? 春が来たら・・・・・ 春が来たら、それだけで嬉しい。

えーっと、着ぶくれから解放されるし、凝り固まった体が表面からだんだんほぐれて、少し若返った気になる。鶏は卵をホイホイと産んで、種を蒔けばポンポンと発芽する。作物の成長のさまは、心地よく、我らが尻を叩いてくれる。

こうして春が来ます。例年よりも早く、昨年とは比較にならない目ざましさで。(晃)

 

◆ 町議会への請願

以上は、「ここにもいた! 無責任天気予報!」でした。私は、「実況報告」に徹します。

私たちが参加する「寄居町耕す人の会」は、3月の寄居町議会に、以下の請願を提出します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

件名  原発国民投票の実現について

要旨  原発国民投票の実現を求める意見書を国会・政府に提出していただきたい。

理由

3・11福島第一原発による災禍の全容は未だ明らかにされず、放射性物質も放出され続けており、事故収束への見通しは立っておりません。また、汚染された地域で暮らす人々への支援は、やっと始まったばかりで、怒りと不安の毎日を送っております。

私たちの住む寄居町にも、多量の放射性物質が降下(注)し、農地等への汚染、農産物への風評被害が起こり、消費者にとっても内部被爆の不安や懸念が生じました。特に乳幼児をもつ親にとっては、心配し憂慮する毎日です。(中略)

私たちの思いは、「今後の原発の在りようを決める権利者は、万一のときには子供の命、故郷の喪失、農業牧畜漁業の崩壊を賭けなくてはならない、国民一人ひとりである」ということです。(後略)

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昨年から準備を重ねていましたが、議会への紹介議員も決まり、町内での署名活動も進んでいます。

昨年12月30日発表の「重要案件についての国民投票、原発に関する国民投票についての朝日新聞の世論調査の結果」によれば、実に7割近い国民が、原発国民投票の実現を望んでいるそうです。大阪市では、「原発市民投票」の条例制定を請求する署名が、6万筆以上集まり、実現に向けて進んでいます。東京でも「原発都民投票」の署名活動が実施中です。

ここ寄居町で、この請願が成功すれば、全国の公正を求める人々を勇気づけ、ほかの地方自治体も後に続くかもしれません。ということで、春を待ちつつ頑張っています。(1月23日 泰子~さし絵は「角」)

投稿情報: 2012/01/27 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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