ちゃんと、「トークショー」に参加した証拠に、チラシもらってきました。「有機農業者の方」が私です。後で横山さんに聞いたのですが、最初は小川町のKさん(日本有機農業運動のスター)に依頼されたそうで。都合が悪くて横山さんのところに話が来たそうで。
予告の前記事に、白崎裕子さん(インズヤンズ梟城)のコメントをいただいたのですが、なぜか自分のPCから自分のブログにコメントできない状態なので、記事を早く書かなくちゃ、と、書き出したのですが、(その後、ブログの提供会社のtypepadに問い合わせて、コメントできるようになりました。クッキーがどうの、こうの、でした)やはりなかなか仕上がらず、今週の「菜園たより」のアップもできていないし、とほほ、
まずは、映画について。公式サイトは、こちら。給食を「オーガニック化」した南仏の小さな村の実話、ということで。
見終わって、「こわいですね、ひどいですね、だから、オーガニック食品を」
という風には、私も、横山さんも決して言わなかったですが。
「ドキュメンタリ」といっても、相当「演出」「脚色」が入っていて、「??? おいおいおい、ちょっと待てよ」という場面はいっぱいありました。字幕が伝えきれていないのか、断片的なフレーズが、客観的な根拠なく足早に語られていて。でも、それでいいのですね、冒頭、「科学的な根拠なんか、学術誌を読んでくれ、とにかく行動だ。環境と人体へのリスクを解消するには、オーガニックしかないんだ」みたいなことを、誰かに語らせていますから。
ただ、ひとつ、どうしても気になったのは、その後も何回も登場する、給食を食べる生徒のイケメン父親が、「私は原子力発電の施設で働いていますが、施設の外は危険なものでいっぱい汚染されています」とその地域の環境汚染を憂う発言です。それを補強するように、たびたび、果樹園で宇宙服みたいな重装備でトラクターに乗って農薬を散布する農家の姿が映し出されるんですね。ガンや白血病の増加についての数字も足早に語られて、あたかも、そのような健康被害は農業に由来するように、誘導されるんですね。「原発大国フランス」の隠蔽の影を見るのは、考えすぎでしょうかね。
わからないことが多すぎるので、事実はどうなのか、にこだわるより、この映画は食について語ることのきっかけ、と考えればいいのだと思います。で、その語る内容が、その人の食の現状を逆に照らし出す、ということで。
トークショーでは、私はまず、「これは、フランスのことだから、今日本で販売されている野菜が、農薬まみれで健康被害を引き起こす、なんてことはありえないんですから。」というようなことを言って、それを横山さんがちゃんと、「個々の農薬が、直接人体に与える影響についてより、環境全体に与える影響を考えることが大切」とフォローしてくれて。とにかく、1981年に「自然食通信」という小さな雑誌を始めて(創刊号の特集が「無農薬野菜を食べる人が増えている」ですからね)、オーガニックブームへの疑問なんかもすでに言い尽くして来た人ですからね。あと、私は、「有機うんぬんより、農業の基盤となる農村自体が存続できなくなりつつある危機」とか、「農業現場への中国人研修生の導入」とか、(まあ、ちょっととんちんかんなことなど)もしゃべったりして。
そういう風に流れを作っていたと思うんですが、会場のからの質問タイムになると、
「野菜は皮をむいて、よく洗って食べるようにしているけど、どのくらい洗えばいいの(安全?)でしょうか」
「米に、大麦を混ぜて食べているけど、国産のものだったら大丈夫(残留農薬の点で?)でしょうか」
「キャベツ産地の嬬恋で、ものすごい農薬散布と、連作しているのを見たけど、だいじょうぶなんでしょうか」
みたいなことが、年配の女性たちから出されて、力不足で、その場ではあんまり有効な話できませんでした。
ということで、この場では、これ、ご紹介します。
その日、横山さんにいただいた、自然食通信社(リンク先は、横山さんの昼飯日記になっていますが、トップページに本の紹介在ります)の最新刊です。帰りの電車で読んで、「うるうる」してしまいました。
「食べるってことは、食材のいのちを奪うことなんだ。いただくことなんだ」ってことは、よくよく語られることですが、この本の中で、「弁当の日」をはじめた校長先生が、こういっているんですね。
「料理というのは、作る人が食べてもらう人のために、食材のいのちの中に自分の命を和えることなんだ」って。
子供の食育のために、キッズ包丁を購入する家庭もあれば、1本も包丁のない家庭もある今日、食材がオーガニックか非オーガニックかなんて、小さい問題なんじゃないでしょうか。
料理してもらえなければ、野菜は食べてもらえない。
と、舌足らずですが、終わります。タイトルは、西日本新聞社の「食卓の向こう側」という連載から取らせていただきました。横山さん推奨なので、いつかまとめて読んでみたいです。
川越スカラ座の方、NPO法人プレイグラウンドの方、お世話になりました。
トークショーには、本当は、この人に出てもらいたかった、と書いた、茨城の「かぜだより」さんが、関連した記事を書いてくれています。
合わせて読んでみてください。
http://kazedayori107.seesaa.net/article/132223042.html
投稿情報: とびら | 2009/11/08 04:35
消費者との交流や話し合いに生産者が積極的に出ていく機会が増えるといいなぁといつも思っていますので、上のようなイベントも増えないでしょうか。
しかし、微量であっても化学物質の長期的(数十年または世代を越えての)摂取の結果については、科学的にも今後の研究がされるようです。子供の異常行動などにその疑いがかけられています。
そうは言っても、こんなことで「だから有機農産物を」などとも言えないですね。どうせ、どこかから「危険を煽る」などと批判が出てきそうですし。
投稿情報: とりのさとZ | 2009/11/11 12:34
とりのさとさん、こんにちは。
「微量であっても化学物質の長期的(数十年または世代を越えての)摂取の結果」についての、おぼろげな不安、というのは多くの方が共有していると思います。
自分たちが、農薬や化学肥料を使わないことの根っこには、それがあります。
でも、他の方に語るには、いくつかクッションが必要なのでしょうし、語らない方がいい場合もあるでしょうし。
「子供の異常行動」というのが何を指すのかわかりませんが、小さな子供にとっては、野菜についた農薬や、添加物、あるいは大気汚染などより、「砂糖」の害の方が大きいような気がしますが。
デリケートな部分もあるので、このような場所でなく、直接お話できれば、いいのでしょう。
ヒナが、野犬にやられた話読みました。うちも経験ありますが、なんとも言えない嫌なものです。
うちでは、天候のせいか、夜分にもしかしたら「クマ」が来ているのか、鶏たちに「ツツキ」がでています。はじめてのことです。比べ物にはなりませんが、これも、大変嫌なものです。
投稿情報: とびら | 2009/11/12 05:05