11月3週号 の見出しは、「ほっとする11月 / タイからの視察」です。
今回、娘が3点送ってくれた、人参の絵のうち、上の真ん中の「人参ワルツ」を紙版には使用しました。右のは、「愉快なダンス」という題名がついていました。クリックすると、拡大しますが。
「タイからの視察」につきましては、紙版では間に合わなかった、当日の写真を、スタッフのHMさんが後で送ってくれました。
さて、「ほっとする」とは書いたものの、実情はなかなかほっとはできず、木々の紅葉をめでるより、「敗荷」(やれはす)という言葉の方に親和感をもってしまいます。
「敗荷」=敗れた「荷」(はす)=やれはす、やれはちす、やぶれはす=秋風によって葉の緑色が失われて、破れたさまをさらすこと。2010年11月6日(土)朝日新聞be の連載「高橋睦郎の花をひろう」にて、紹介。
この連載記事、あまり読んではいなかったのですが、引用していたのが、石川淳の「敗荷落日」の一節だったので、切り抜いてよく読みました。石川淳の小説は、30年ほど前「戦後文学」というジャンルが成立していた頃、よく読みましたが、この一文は未読。アマゾンで、収録した文庫本を今でも売ってました。
貯金通帳を握り締めて死んだ、永井荷風のことを書いた文章ということですが、「敗荷落日」、沁みる言葉です。
私も俗物ですので、通帳とハンコとパスワードのメモとか、子供に託して、死ぬ時の用意などするのを、今から想像しています。
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