◆請願書提出
「寄居町 耕す人の会」は、寄居町3月議会に向けた請願「原発国民投票の実現について」を、2月17日、寄居町役場の議会事務局に提出しました。12月末より開始された署名活動では、最終的に1135筆の署名が集まりました。寄居町人口の3%余りの方々が、賛同してくださったことになります。(この記事の末尾に請願書本文のコピーを掲載)
◆本会議は3月2日
2月20日の議会運営委員会で今後の議会の日程が決まりました。「寄居町 耕す人の会」の請願は、本会議2日めの3月2日(金)に、紹介議員からの趣旨説明および他議員からの質問などの討議が行われます。本会議は、誰でもその場に行けば傍聴をすることができます。
最後の議案なので、開始時間は、11時ころかと思われます。
本会議の後、8名の議員からなる総務経済常任委員会に議案は付託されます。総務委員会は、5日(月)に行われ、委員会の傍聴は許可されていません。この委員会で採択されれば、19日の本会議最終日に再び審議され採決に及びます。(議員名簿など寄居町議会についての詳細は、こちら)
◆この請願の意味するもの
(この項は、私見です)
・この請願の前提
この請願は、脱原発および反原発を要請しているものではありません。国会がすみやかに、「原発の是非を問う国民投票法」を整備・制定し、政府がこれを実施することを求めているのです。
原発を続けること、あるいは原発をやめることによる、社会的・経済的な影響について、論じるつもりはありません。それは、国民投票が告示されたとき、有権者たる私たち一人一人が、過去を振り返り、未来を見据えながら考える課題だからです。
・原発国民投票の意味
私たちが求める国民投票は、憲法改正を伴うものではありません。投票によって国民の意見を示すことが目的の、政府や国会が法的な拘束を受けることのない諮問型の国民投票です。しかし、投票で示された国民の意思は、今後の政府による政策、国会における立法などの国政全般にわたっての、重要な参考となります。
・意見書提出の意味
今回、寄居町議会において、本請願が可決されるならば、寄居町民のみならず、全国の世論と合致した英断と評価されることになります。全国の公正を求める人々を勇気づけ、ほかの地方自治体も後に続くかもしれません。寄居町議会は、全国自治体の中にあって先進性を示し、請願者、町民一同の誇りとなります。
◆「寄居町 耕す人の会」について
(以下 2011年11月20日第1回総会資料より)
私たちは、福島第一原発事故を受け、200kmはなれた地で起きた悲劇が、自分達の生活をも変えてしまった現実に向き合い、日常生活を少しでも自分達の手元に引き寄せて折り合いをつけられるように、身近なところから、少しずつ、出来ることからやってみよう、という思いで立ち上がりました。
この地域ならではの生きる術を守り、再生させ、必要とあらば創り出すことが、私達の願いであり、目標です。
今後の活動方針は、
①「自然エネルギー推進」に町ぐるみで取り組むため
②「『原発』国民投票」を実現するため
③この地域の生活を守り豊かにするため
の3つの中心的な課題について、具体的な提案をすることです。
会員数 46名(2011年12月現在)
◆請願書の内容
件名 原発国民投票の実現について
要旨 原発国民投票の実現を求める意見書を国会・政府に提出していただきたい。
理由
3・11福島第一原発による災禍の全容は未だ明らかにされず、放射性物質も放出され続けており、事故収束への見通しは立っておりません。また、汚染された地域で暮らす人々への支援は、やっと始まったばかりで、怒りと不安の毎日を送っております。
私たちの住む寄居町にも、多量の放射性物質が降下(注)し、農地等への汚染、農産物への風評被害が起こり、消費者にとっても内部被爆の不安や懸念が生じました。特に乳幼児をもつ親にとっては、心配し憂慮する毎日です。
福島第一原発の事故以来、原発を有する国では原発の再検証や総点検を実施しています。そうした中で、国民投票によってイタリアは再稼働の停止を、ドイツでは将来原発の廃止を選択しました。しかし、残念ながら日本では、原発の是非について国民の総意形成を経ることなく、民意を問う機会も用意されておりません。
私たちの思いは、「今後の原発の在りようを決める権利者は、万一のときには子供の命、故郷の喪失、農業牧畜漁業の崩壊を賭けなくてはならない、国民一人ひとりである」ということです。私たちは、安心・安全な環境のもとで生活でき、自由な経済活動を行いながら、皆が幸せを実現できる社会を創っていくことを、強く望んでおります。
寄居町民の間にも、原発の在りように関して、この国の未来を定めるべく、国民投票の実現を求める声が広がってきております。
つきましては、寄居町議会において、原発の是非を問う国民投票の実現を求める意見書を国会並びに政府に提出していただきたい。
(注)文部科学省による埼玉県の航空機モニタリング測定結果では、地表面へのセシウムの沈着量は㎡あたり数千から1万ベクレル(平成23年9月12日現在)
平成24年 2月 17日
請願者代表
「寄居町耕す人の会」会長 他 1135 名
寄居町議会議長 様
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