2007年10月10日 (水)に書いた「菜園たより」10月2週号アップの記事
http://nonotobira.typepad.jp/blog/2007/10/102_173d.html
で、その見出しにある「地域農業に支えられて」に関連して触れた、農水省の「農地・水・環境保全向上対策」について、以下のような記事を読みました。
[激震 改革の現場]“エコ米”推進 宮城に暗雲/農地・水対策 財政難で支援限定
日本農業新聞 掲載日:07-11-30
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin/article.php?storyid=977
に、一部内容が載っています。
配達のおじさんが、時々サービスで日本農業新聞を入れてくれるので、たまたま本文を読みましたが、実に「かわいそう」な話でした。
意欲的な農家が、環境保全型農業で生き抜くために、営農組合の仲間とエコファーマーの資格を取って、初年度は地域の老人会や子供会などと連携して環境美化の共同活動をして実績を積み、次年度はその補助金で有機肥料を購入して、より環境保全型を目指して行こうとしていたのに、県の財政難のため、手を上げるのが遅かったからと門前払いになった、というのです。
うちの近所の同様の活動は、どうなったのでしょう。同じような感じで成立した田んぼ関係の方々の組織が、夏に田んぼの近くの草刈りなどを共同でする、というお知らせが入っていました。この辺では、2軒、大きな「担い手」の専業農家がいらして、その1軒が、この共同事業の代表になっていました。やはり、この地で、米麦を中心として農業で生きていくうえで、この「農地・水・環境保全向上対策」に対応することが必要、と考えての動きだったと思うのです。
埼玉県の場合、ちゃんと機能しているのでしょうか。
新聞記事の最後には、東北大教授(工藤昭彦さん)の、「制度を設計した時点で地方自治体の厳しい状況は予想できたはず。環境保全が目的なら、国民にも利益になるので、税金を投入することへの反発は少ないはず。定着までの一定期間、活動組織を満遍なく支援することが重要」とのコメントを載せています。
いはゆる環境支払い、農家への直接支払いへの、国民的合意が、できているとは思えず、ほかの新聞じゃあ、こういうコメントは載らないんじゃないかと。
知人のブログで、こういうことをいっている人がいると知ったのですが、それに賛同する人が大多数なんだろうとも思うわけです。(日経とか、プレジデントとか、読んでる人、と勝手に想像する)
「コメさえつくっていれば確実に元がとれるので、非効率な兼業農家が残り、コメ以外の作物をつくらなくなったのだ。こういう補助金に寄生している兼業農家がガンなので、(中略)米価を含む農産物価格の規制や関税を全廃し、兼業農家を駆逐する必要
がある。」(池田信夫blog)
http://sanissi.exblog.jp/7577934/より引用。
農水省は、「品目横断」と、この「農地・水・環境」で、環境を保全したまま、効率よい農業を、という狙いだったのかもしれませんが、実際の農家は翻弄されるだけ、ということにならなければよいのですが。
自分たちは、翻弄の対象にもならない、超零細借地農ですが、現場はちゃんと見て行きたいと思います。
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin/article.php?storyid=977
に、一部内容が載っています。
配達のおじさんが、時々サービスで日本農業新聞を入れてくれるので、たまたま本文を読みましたが、実に「かわいそう」な話でした。
意欲的な農家が、環境保全型農業で生き抜くために、営農組合の仲間とエコファーマーの資格を取って、初年度は地域の老人会や子供会などと連携して環境美化の共同活動をして実績を積み、次年度はその補助金で有機肥料を購入して、より環境保全型を目指して行こうとしていたのに、県の財政難のため、手を上げるのが遅かったからと門前払いになった、というのです。
うちの近所の同様の活動は、どうなったのでしょう。同じような感じで成立した田んぼ関係の方々の組織が、夏に田んぼの近くの草刈りなどを共同でする、というお知らせが入っていました。この辺では、2軒、大きな「担い手」の専業農家がいらして、その1軒が、この共同事業の代表になっていました。やはり、この地で、米麦を中心として農業で生きていくうえで、この「農地・水・環境保全向上対策」に対応することが必要、と考えての動きだったと思うのです。
埼玉県の場合、ちゃんと機能しているのでしょうか。
新聞記事の最後には、東北大教授(工藤昭彦さん)の、「制度を設計した時点で地方自治体の厳しい状況は予想できたはず。環境保全が目的なら、国民にも利益になるので、税金を投入することへの反発は少ないはず。定着までの一定期間、活動組織を満遍なく支援することが重要」とのコメントを載せています。
いはゆる環境支払い、農家への直接支払いへの、国民的合意が、できているとは思えず、ほかの新聞じゃあ、こういうコメントは載らないんじゃないかと。
知人のブログで、こういうことをいっている人がいると知ったのですが、それに賛同する人が大多数なんだろうとも思うわけです。(日経とか、プレジデントとか、読んでる人、と勝手に想像する)
「コメさえつくっていれば確実に元がとれるので、非効率な兼業農家が残り、コメ以外の作物をつくらなくなったのだ。こういう補助金に寄生している兼業農家がガンなので、(中略)米価を含む農産物価格の規制や関税を全廃し、兼業農家を駆逐する必要
がある。」(池田信夫blog)
http://sanissi.exblog.jp/7577934/より引用。
農水省は、「品目横断」と、この「農地・水・環境」で、環境を保全したまま、効率よい農業を、という狙いだったのかもしれませんが、実際の農家は翻弄されるだけ、ということにならなければよいのですが。
自分たちは、翻弄の対象にもならない、超零細借地農ですが、現場はちゃんと見て行きたいと思います。
とびらさん、こんにちは。
実に「かわいそう」です・・
> 環境美化の共同活動をして実績を積み、次年度はその補助金で有機
> 肥料を購入して、より環境保全型を目指して行こうとしていたのに、
> 県の財政難のため、手を上げるのが遅かったからと門前払いになっ
> た、というのです。
困りますよね。
制度の中で生きていこうと思っているヒトをひと蹴り・・
これでは、どんなによさそうな制度も、そのうち信用されなくなってしまうと思います。
> 「コメさえつくっていれば確実に元がとれるので、非効率な兼業農
> 家が残り、コメ以外の作物をつくらなくなったのだ。こういう補助
> 金に寄生している兼業農家がガンなので、(中略)米価を含む農産
> 物価格の規制や関税を全廃し、兼業農家を駆逐する必要
> がある。」(池田信夫blog)
なるほど。
こういう構図になっているのですね。
とても勉強になります。
良い情報をありがとうございました。
投稿情報: -琉春庵-♪ | 2007/12/06 14:16
農業を工業の効率という観点で見るとこういう話になります。工業では効率という観点はある意味大きな要素かもしれませんが、農業を見る時はちょっと(大いにかも)違うのでは。
投稿情報: とんぼ | 2007/12/06 18:09
補助金ありつけなくて集まりが瓦解したような話は山ほどあります。
反当6000円ぐらい自力で捻出・調達出来る金額です。それが無くなって瓦解したということは補助金にぶら下がる事しか考えない人たちが群がっていた。という良くあるパターンだった。という事です。
別な角度から考えても環境保全型農産物として反当、10俵あたり6000円の付加価値をつけて販売するぐらいの事は造作もない事。そのぐらい事も出来なかったのか。と力不足が見て取れる訳です。
ヤマト財団の小倉氏(故人)が障害者の作業所をまともな収益を上げられる、賃金を支払えるビジネスとして成立させたように農業も同じ轍、自分で稼いで自立的に運営できる組織を目指して進むべきなのです。
投稿情報: りんご屋 | 2007/12/07 01:30
ふじかわさん=-琉春庵-♪さん、
コメントありがとうございます。
当事者ではないので、ほんとのところは、よくわからないのですが。
とんぼさん、
ちょうど、ブログの方に、コメントしたところでした。
「非効率な兼業農家」が、地方の景観を(ただで)維持してくれている、というのは、評価されてよいことだと思うのですが。
銭にならないことは誰もやらない、となれば、荒れ果てていくだけでしょうから。
ただ、ずうっと銭にならないだけだと、継続はむずかしい、そこんとこよろしく、みたいなことはあるでしょうが、制度化はまたむずかしい・・・
りんご屋さん、
読んでいただいていたとは。
ホームサイト紹介してもよろしいでしょうか。
http://www3.app-le.jp/
こういう農業新聞の記事なども、「政治的」なもくろみがあるわけで、農村の有権者の、政権党への反感をあおる気運がこのところ強まっているような気がします。
農協なんか、例の「品目横断」で優先的に肥料や農薬の購入を握って、儲けたはずなのに、制度がうまく行かないと、政府が悪い、ということで、自分たちの責任が問われないようにしている、とかね。
ヤマト財団の小倉氏、は存じ上げませんが、その作業所の実態はどうなのか。障害者の「幸せ」はどこにあるのか、簡単にはいえないと思います。障害者自立支援法で、全国の作業所と障害者は苦しんでいるようですが(勉強不足で具体的には述べることができません)。
「環境保全型農産物として反当、10俵あたり6000円の付加価値をつけて販売するぐらいの事は造作もない事」
自分で販売することをやってこなかった、ということでしょう。
りんご屋さんのようにはっきりとはいえないので、「かわいそう」と、「」を付けて表現したんですが。
投稿情報: とびら | 2007/12/07 06:11
ご紹介頂き有難う御座います。
>政権党への反感をあおる気運がこのところ強まっているような気がします。
売り上げの為ですから。
ワイドショーレベルが売り上げ立てやすい。という事なんでしょう。
全ては受け手のリテラシーのレベルに帰結する問題。
>障害者の「幸せ」はどこにあるのか、簡単にはいえないと思います
都内でパン製造、販売を商業的に成立させ、当たり前の収入を持たせ、自活させる。という障害者ではなく普通の人間としてあるべき形を成立させている訳です。その手法に疑問をはさむ余地は無いかと思います。
>りんご屋さんのようにはっきりとはいえないので、「かわいそう」と、「」を付けて表現したんですが。
そっちの方のかわいそうでしたか。
なるべくようになる。という事の他何もいえませんですね。
投稿情報: りんごや | 2007/12/07 17:32
りんごやさん、
カタカナ、外来語のリテラシーがいちじるしく低いので、ネットで確認しました。=読み書き能力ですね。関連語で、メディア・リテラシー=情報メディアを批判的に読み解いて、必要な情報を引き出し、その真偽を見抜き、活用する能力のこと。「情報を評価・識別する能力」と、Wikiにありました。
障害者の作業所の件では、知人に、精神障害で離農して、二つの作業所に通っている方がおり、最近ブログを拝見したので、「疑問」として発言したのです。作業する障害者の側からの視点が、その成功者の方にあるのかな、と。
すみません、実態は何にも知らないでの発言です。
「なるべくようになる。」
そのとおりだと思います。
投稿情報: とびら | 2007/12/08 05:47
メディアの消費者の嗜好に忠実ですからね~。
障害者の障害の度合いは幅が広いので全てがどうだという話は出来ないかとは思いますが、先天性の障害の場合個人としての自立を阻害するような育て方接し方受け入れ方がなされている傾向が全般的に強いようです。作業所もものづくりよりも時間つぶし的だったり誰もやりたがらないような場所での単純労働だったりといった側面が強かったので、それを覆し、障害者の作業施設でも社会的に評価されるだけの事業体になることを実証したという意味において小倉氏の功績は非常に大きいと考えています。
障害者としての幸せというより人としての幸せですね、それはそれなりに稼いでから初めて手に出来るものかと思いますので、全てにあまねくというのは無理かもしれませんが、上記のような事例が広がって今よりも良い状況が広がってくれればと思います。
投稿情報: りんごや | 2007/12/08 11:03