東北ツアーも残すところ秋田のみとなりました。
今回のツアーを初日の稽古から振り返ってみると、良い意味でも、時に悪い意味でも、最初のころと全然違うな、と思います。
日々変化するとともに忘れてしまったことが、いくつかあるようです。
初心忘るべからず、という言葉が日本にあるということは、この忘れてしまった感覚は、忘れてはいけない重要な部分だったりするんだろうと思います。
初心忘るべからず。最初のころに戻るのとは違う。
今の自分であの頃の自分を包み込む。
あの頃の感情を今の自分なりに感じてみると、
あの頃は嫌だったことがすんなり受け止められたりする。
あの頃は分からなかったことが案外腹に落ちたりする。
あの頃は深く感じなかったことが奥深い言葉に感じる。
あの頃を感じることで、今を生きていると実感できる気がする。
明後日でこの公演は終わってしまいます。
早く終わってほしい、と思う。
いつまでもこの作品に生きていたい、と思う。
こんな矛盾が生じるのは、この作品を通して感じた感謝の気持ちや大切にしたいと思ったことの数だけ、
嫉妬や怒りの複雑感情も体験したからだと思います。
でもきっと複雑感情もこの作品に何らかの形で作用しているんじゃないか。
そう考えると、日常生活なら逃げてしまうかもしれないその感情も、舞台上では静かに受け止めたいと思う。
というか、これを機に日常生活でも受け止めてみたらいいんじゃないか。
逃げるから捕らわれる。だったらむしろこちらが捕らえて包んでしまえたら。
残る公演は二回ですが、一回一回、そのときの自分や、メンバーや、お客様や、空気を全部感じれる限り感じて、全力でやりきろうと思います。
村岡
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