未明より強く北よりの風が吹いて、忘れていた冬を思い出すわけですが。
月曜日の昼休みに、あわてて書いたけど、夫に「来週書き直したら」と言われて、ボツになった原稿を以下に載せます。
来週、どう変わるのか、また直前に頭ひねらなければ・・・ 写真も用意しなくちゃ。
1について
「ヨトウムシのことは、もういいんじゃない」とも言われたのですが、昨日も、10月後半~11月収穫予定のキャベツのベットで、孵化したばかりの小さな幼虫がびっしり取り付いているキャベツが散見されまして、半分以上廃棄、ハンマーナイフ粉砕。トラクターかけ。一度は「虫見」しているんですが、取り残した奴が、サナギになって羽化して交尾して産卵した、という最低の成行き。勤めを果たした成虫の死骸もありました。
その後、間引き草取りをしていた人参では、最後に蒔いた(8月中旬)ベットまで、シンクイムシが入っていて、人参まで全部網掛けしないと取り上げられないのか、とちょっと暗い気持ちに。
秋冬物の作付け、「温暖化」に対処して、この15年で少しずつ変えてきましたが、もっと根本的に考え直さなくちゃ、この「虫の圧力」に対抗できないのでは、とつくづく思い知らされる、秋の始まりです。
2について
登場する学生さんは、私たちが研修した農業塾を主宰していた方が、ウーフのホストをやっていて、そこにウーファーとして滞在していました。(ウーフのサイトは、ここ)
実家が、ずっと食品の共同購入をやっていたり、広い家庭菜園をやっていたり、鶏も飼ってた(すごく知的レベルの高いおうちなのですが)、とのこと。そういう生育歴が、「自給自足」への関心を深めた部分もあるのでしょうが、いろいろ話していたら、ゼミのテキストで「バナナと日本人」(鶴見良行)をやった、と話してくれて、おおっ、私がこんなところにいる遠因は、学生時代に見た、「人を喰うバナナ」だったと思い出しました。
どんな、レポートになり、どんな風に卒論まで持っていくのか、できれば読みたいものだ、と思っています。
3について
自分では、まったくパンを焼いていないので、お客さんにお願いしてます。
昨今は、国産小麦のパン屋さんもすごくたくさんあるみたいで、20年前小さな店を夫とやっていたときと比べて、ずい分「進化」しているようです。その頃は、品種の違いとか、ほとんど考えなかったですから。
最近、知り合いの出版社から、「麦畑からお届けするパン屋です」という本(詳細は、ここ)をいただきました。どんな味のパンなんでしょうね。
幻の「9月4週号」
1 台風去って
関東地方でも200ミリの降水予報がでていた、迷走台風13号ですが、この辺ではたいした悪さもせず、翌朝、南方の空、多分千葉の方角に、ちょっと凶悪そうな奇妙な形の灰色の曇が見えて、その日は真夏日となりました。でも、そのあと、大雨。すき間で蒔きつけた、ちぢみ菜やホウレンソウが、叩かれて発芽できるかどうか心配です。
まったく、グラグラゆすぶられるような天候の続いた9月ももうすぐ終わり。作付けの方も、終盤です。で、これからが、「虫見」です。夏の盛りから、旺盛な繁殖を見せていた、「ヨトウムシ」(大型の蛾の幼虫)が、取っても取っても網の外から網目を通り抜けて押し寄せてくる季節となります。針の先ほどの大きさの生まれたてから、天性の運動能力で拡散し、脱皮するごとに食欲を増し、よってたかってキャベツや白菜を貪り食う奴らに、素手で立ち向かわなくてはなりません。
去年に続いて、今年もし烈な戦いが予想されます。
2 自給自足がテーマ
という、文化人類学を学ぶ、京都の学生さんと会う機会がありました。なぜ、自分はこんなに「自給自足」が気になってしょうがないんだろう、ということを知るために、近くの農場に訪れていて、新規就農の人なら、「自給」への思いが強いのでは、と、話を聞いてまわっていたのです。
若く、真摯な彼と話すのは大変楽しく、夫がなぜ百姓をやりたかったか、という生い立ちの話も、私は何十回も聞いたのでもう別の話をしたいのに、彼が聞いているとそれも楽しく、文化人類学に興味のある娘に、いろいろ教えてもらうのを横で聞いているのも楽しく、と、なかなか出会えないよい時間を持つことができました。
そのあと、ふと、百姓になって「自給」し、そしてやめていった作物のことを思い出しました。畑に蒔いたもち米で、正月のもちをついたこと。雀から守ったほんの少しのキビも混ぜた黄色いモチと、黒豆入りのモチと、3種類ついたこと。2年かけて育てたコンニャク芋をすりおろして、はじめてコンニャクを作ったこと。ゴマを収穫して、洗って干して、1升ビンに保存したこと。ソバは、結局ソバに打てなかったこと。などなど。
この15年間で、「自給」から「換金」に、徐々に優先順位がシフトしていったことを、改めて確認しました。初心を振り返らせてくれた、若い力に、これからどんな自分たちを提示できるだろうか、と、忙しさの中でも考えていかなくては、と思いました。
3 パン用小麦、試作してみませんか?
一貫して作り続けている、「道楽」の小麦ですが、今年はパン用品種の「ニシノカオリ」という小麦も収穫できました。知人には、埼玉県の推奨品種「W8」という麦を一袋もらいました。この冬に、どちらの品種を来年に向けて作付けるのかを、もうすぐ決めなくてはなりません。
お客様の中で、ご家庭でパンを焼く方、この二つの粉を使って味などを比べて評価していただけないでしょうか。もうすぐ、製粉に出すつもりです。500gから1キロくらいをお譲りしますので、11月後半の作付け時期までに、結果を教えていただきたいと思います。ご希望の方は、お声をおかけください。(9月22日)
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