菜園 「野の扉」

~ 1993年の開園以来、埼玉県寄居町で、農薬と化学肥料を一切使わず 野菜を作っている、新規就農の百姓です。

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「菜園たより」2011年10月2週号


■足腰立たずの秋に、救いの神

台風の後、9月後半は、もう冬なのか、と思うほど冷え込む日が続きました。そんな中、前号で書いた「仕事の大山」に、夫が押しつぶされまして、創業以来の体調不良に陥っています。

「大山」の他に、色々「小山」もありました。夫は、8月以降、「みんなで決めよう『原発』国民投票」の賛同人として、畑のある地区をほとんど一軒残らず回って、署名を集めていました。また、以前から寄居町町政に対して様々な働きかけをしていた方々と、つながる機会も得ました。そして、近隣の先輩農家や仲間や署名者と一緒に「寄居町を耕す人の会」という会を立ち上げて、町議会に「自然エネルギー推進都市宣言」を求める要望書を連名で提出することができました。地元のJA直売所で、署名活動もやりました。

ということで、覚悟の上の、不調であります。


しかしながら、何とか皆様への出荷が滞りなくできていたのは、8月末から、来てくれているHさんのおかげです。セット出荷のある月水金の午前中に、助けてもらっています。始めた頃、「新鮮な野菜を触っているだけで、元気が伝わってくる」といってくれたHさんは、持ち帰る自家用野菜を、色々工夫して、美味しく料理しているようです。来シーズンのために、メモ残しておいてね、と頼んでいます。

(たとえば、ピーマンのおひたし。ピーマンをゆでる、ということは考えてもみなかった私には、新鮮でした。かつお節とゴマと醤油とゴマ油で、おいしくいただけました。)

あと、虫(特にヨトウムシ)が少なかったのが、大いなる救いとなりました。

左のさし絵は  2011satoimo~里芋の曼荼羅~ 照手描く


■小麦の放射能自主検査

埼玉県での検査では、5月以降ほとんどの野菜で「不検出」が続いていますが、事故以前から生育していた小麦については、寄居町に隣接する地域で「15~31Bq/Kg」のセシウム(暫定基準値は500Bq/kg)が検出されていました。

「野の扉」では、先月中旬に、息子の「ノラのパン」での今年産のうちの小麦の使用が始まる前にと、玄麦(脱穀した粒の状態のもの)の自主検査をしました。結果は、15Bq/kgでした。これを受けて、「ノラのパン」では、これまで全粒粉として使ってきていた「フスマ」(=小麦の外皮)の使用はやめて、製粉したもの(放射能値は半分になる)のみを使用することに決めました。(詳しくは、「ノラのパン通信10月号」に。この件に関しての「怒り」については、泰子がブログに書きました。→)

先日、埼玉県の放射能汚染マップが、文部科学省より発表されました。数日後の東京・神奈川の分と合わせて、東日本への、福島原発事故による放射能の拡散の様子が、一目で見ることができるようになりました。これから何十年も、この放射能汚染と向き合って生きていかなければなりません。私たちに出来ることは何でしょうか?

福島の怒りを思い浮かべながら、私たちは、「『原発』国民投票」を実現させて、原発をなくしたいと思っています。署名を集めてくださる方、用紙をお渡ししますので、お声をかけてください。(10月10日記 泰子)

投稿情報: 2011/10/14 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2011年9月3週号


■秋を楽しむ、とっておきの秘けつ

毎年、数日から一週間のずれはありますが、9月10日あたりから9月いっぱい、仕事は大山のように押し寄せてきます。あまり真面目に向き合っていると、私の場合打ち倒されてしまうので、色々作戦を講じます。どの作戦も、ズルくて卑劣な手を使うので、皆にはとうてい勧められません。しかし相手は、私達よりとんでもなく大きなものですから、私としては良心がとがめることもありません。

 
<その1> 自分が疲れた頃を見計らって、倒れたふりをする。

~効用~ 倒れたふりをしている間、私は確実に休んでいます。大山の仕事の方は油断するので、スキをついて徹底的にたたきのめします。ヨロヨロと立ち上がり、いきなり飛びかかるような感じです。ここぞという仕事を一気にやっつけることができ、相手に与える打撃は、たぶん大きいです。

<その2> お天気を味方につけ、サボる口実を見つける。

~効用~ お天気次第で、その年はどうしてもうまくできない野菜があります。そんな野菜を嗅ぎわけ、作付けずして負けないことができます。相手が用意した戦いを無視することで、私達は確実に楽チンできます。他方、相手は拍子抜けしたあと、いきり立ち、吠えまくります?が、後々、あれは何だったのか?と、虚脱することでしょう。

 
さて、皆様お気付きのように、大山の仕事を押っつけているのは、私自身でした。作戦は色々あっても、ともかく何より、決着をつけるのは、お天道様です。(晃)


■東方より、三美人来たる


Ozyousan
写真は、里芋の葉っぱを持った、帰省中の娘とその友人2人です。

Tちゃんは、娘と同じ文化人類学専攻で、宮城県のスローフード(その地方独自の野菜の固定種や、失われつつある伝統的な食文化や技)を守る活動を研究課題にしています。

Iちゃんは農学部。数日前には、仙台で、「食べ物を作る人といただく人が、ともに支え合って暮らす地域を創っていきたい。放射能汚染を避けられないからこそ、顔を合わせて心合わせて一緒に知恵を出し勇気を出す場にしたい」と行われた、宮城県内の有機農家を迎えてのイベントに参加したそうです。

例によって、晃が畑を案内して、落花生や里芋、さつま芋を掘ったり、防虫ネットに土寄せしたり、鶏の世話をしたりと、百姓暮らしの一端を体験してもらいました。(9月19日 泰子)

 

<料理メモ> ~オクラのわさび醤油漬~

オクラを茹でて冷水にとり水気をきる。出し汁、練りわさびを溶いた醤油、酒少々を合わせて、オクラを浸し、冷蔵庫で半日馴染ませる。(有機農産物の流通などをしている「NPO法人ポラン広場東京」のSさんの、【有機野菜80文字レシピ】より)

・・・柔らかめに茹でた方がいいみたいです。だし汁がなければ、昆布を一緒につけ込む手もあり

投稿情報: 2011/09/22 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2011年8月5週号

◆気付きの秋

  気象の乱れは、いよいよ激しさを増している、と、実感しながらも、何とか付いていこうと、手を尽くす日々です。

  この国の秋の作柄を心配しつつ、かなたの農民の奮闘にもエールを送りたいな。どうか、折れることなく、食べ物を作ってください、と、祈るような気持ちにもなります。

  人は生き延びながらも、全速力で変わっていかなければならないと思います。畑に入る道のとっつきに、2つの村落の氏神様の社が、小高くあります。毎日、その前を通るのですが、私達を生かしてくれている、とてつもなく大きくて、尊いものを汚したら、結局のところ、私達がその報いを受けるのは当たり前のことなのだなと思います。

  私は、何か特定の宗教を信じる者ではないのですが、今はほとんど忘れられた、昔ながらの知恵の奥深さに、今頃気づこうといている、この頃です。(晃)

 


◆天国と地獄

  畑で、ぴょんぴょんする者といったら、コオロギかバッタか、というのが常ですが、今年は、カエル。それも、緑のアマガエルではなく、濃茶のガマガエル(?)です。

  田んぼからは数10メートル離れているのに、7月頃から、米粒くらいのぴょんぴょんする者達が、往来していました。近くを歩くと、葉物にかけた防虫ネットに飛びついて登って逃げようと必死になるので、ちょっとかわいそう。そうこうするうち、少しずつサイズも大きくなって、なんだか、思案しているような顔で、あたりを窺ったりしているので、心の中で話しかけます。

「肉食系だよね、うん、頼りにしているからね、頑張ってね」

  去年は日照りで、ヨトウムシ地獄を味わいましたが、今年は繰り返しの梅雨で、害虫全体の繁殖が抑えられているようですし、肉食系の助っ人のおかげもあってか、今のところ、イモムシ天国は出現しておりません。ただ、野菜の生育自体も、遅れ気味でして、元気なのは、草ばかり、というのが実情です。

Momomini

◆福島の桃

  これは、福島県須賀川市の、桃です。先日、縁ある方から、いただきました。両手で支えるくらい大きな、立派な、桃でした。

  果樹園のチラシと一緒に、放射性物質の検査結果の資料も添えられていました。福島県が実施している検査では、消費者の誤解を解けない、と思ったからでしょうか。高い検査費用を払って、自分の桃を調べてもらった、「検出せず(検出限界20ベクレル/キロ)」の報告書です。

  桃を食べながら、夫は泣いていました。(8月29日 泰子)

 

投稿情報: 2011/08/31 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2011年8月3週号


Dryf
◆作付け本番~「国民投票」のパンフレット

昨夏、数千年に一度の、猛々しい夏にそう遇し、「こんな夏は二度と乗り切れない」と思い、

世界の気象が、何か一線を越えて変動しているのでなければ、残された生涯で、こんな夏はこれきりだと、納得、安堵しようとしていたのですが、この夏の、気温の激動、厳しさは、あまりよくない証となりそうです。

とはいえ、お盆が過ぎれば、秋冬野菜の種まき、定植は、本番スタートです。

 

さて、本日より皆様に、私達が賛同人として参加する、「みんなで決めよう原発国民投票」の、パンフレットを入れさせていただきます。ぜひご一読ください。 署名などに協力して下さる方、声をおかけ下さい。配達の際には、署名用紙を携行しています。(晃)

 
◆セシウム汚染その後

2007年(最高気温40.9度を記録した)の夏には、「ベルトが切れた」夫が、今年は、3・11以来体重を減らして、「ベルトの穴がなくなった」夏を、経験しております。

 
7月末に、農水省から、「高濃度の放射性セシウムが含まれる可能性のある堆肥等の施用 ・生産・流通の自粛」という通達が出まして、8月頭には、「放射性セシウムを含む肥料・土壌改良資材・培土及び飼料の暫定許容値」が設定されました。

肥料・土壌改良資材・培土については、400ベクレル/kg(製品重量)。牛、馬、豚、家きん等用飼料は、300ベクレル/kgです。

 
この間、ホームセンターや種苗店から腐葉土や苗土が消えて、西日本産のものになったようですし、うちでも、鶏のエサの今年産の「くず小麦」が、放射能検査待ちで、例年より半月ほど遅れて納入されました。

待っている間のある夜遅くには、埼玉県熊谷家畜保健衛生所という、養鶏家を指導する役所から、暫定許容値を越えていないか確認された飼料だけを使ってください、という電話もありました。

これから本格的に出荷が始まる、お米についても、検査が広く行なわれているようです。

身近なところでは、近所の先輩農家の今年のジャガイモと卵を、秩父のパン屋さんが独自調査して、放射性物質は不検出(検出下限=1ベクレル/キロ)だったという結果が出ています。同じパン屋さんが、隣の小川町の今年の小麦と、栃木県のライ麦20%を使ったパンも検査していて、やはり、不検出だったそうです。

このような自主的な検査は、一つの検体で、2~3万円の検査料がかかります。うちでは、自分達でやったことはなく、町や県に要求してきました。 検査することの意味と結果を、問いつつ、これからも、過ごしていかなければなりません。

(8月15日 泰子~さし絵は、照手描く、ドライフラワーらしい・・・)

 

 

 

投稿情報: 2011/08/17 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2011年8月1週号

「梅雨入りしたって言ったって、ちっとも降らなかったねえ。

6月なのに、39度とかになっちゃって。

それから、もう梅雨明けだって言って、それりゃあ暑かったよね、夏だもの。

猛暑日連続10何日か~、畑は砂漠だよね。

そしたら台風が来て、そりゃあ、水がもらえたのはうれしかったよ、元気も出たよ、いいとこ見せたよ。

でもね、それから全然晴れないもの、戻り梅雨っていうの?

やっぱり水だけっていうとね、腹は減るよね。

まあ、おてんとうさんは気まぐれだから。

もう、先は長くないし、跡継ぎも育っているようだし、あんまり文句言ってもね、しょうがないよね。」

と、キュウリが私に言いました。

 

◆「ノラのパン」小屋、ほぼ完成

先週、最後の大仕事、パン焼き釜の搬入がありました。

この1ヶ月あまりは、職人さんや業者さんが、入れ替わり立ち替わり来ていまして、色々な調整などもあり、一つのものを形にする大変さを思い知らせれました。(私はほとんどタッチしておりませんが)

これが、「かま」です。30Lのミキサーも入って(ともに中古再生品)、9月からの開業で、生まれ変わって大きくなった「ノラのパン」をご披露できると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(1枚目は、搬入の際の写真。4トントラックから下ろす。2枚目が、「かま」。3枚目が、ミキサー。4枚目は、旧パン小屋。長雨で、ヨシズが崩れ落ちた。ぎりぎりセーフ。これから、戻り夏。) 

  • Hannnyuu
  • Kamac
  • Mikisa
  • Motono
Motono

 

◆セシウムの循環

牛肉のセシウム汚染については、皆様もご存知と思いますが、先週25日付けで、農水省から、「高濃度の放射性セシウムが含まれる可能性のある堆肥等の施用 ・生産・流通の自粛」という通達が出たことについては、知らない方が多いと思います。

 
「原発事故に伴う放射性物質の降下の影響で、原発周辺県で水田に放置された稲わらから、高濃度の放射性セシウムが検出されており、当該稲わらを給餌された牛のふん尿やふん尿から生産された堆肥が高濃度の放射性セシウムを含有する可能性があります。また、原発周辺県の植物性堆肥原料(樹皮(堆肥用に限る。)、落ち葉、雑草等)から生産された堆肥についても、同様の可能性があります。」

ということで、東北・関東および新潟県、山梨県、長野県及び静岡県の17都県について、この自粛の要請が出されたのです。基準値が制定されれば、それ以下の汚染度の堆肥などは、施用・生産・流通することになります。

うちでは、いわゆる堆肥を購入したり使用してはおりません。しかしながら、有機物の循環で持続しているはずの農業にとって、このセシウム汚染がいかに重大な危機であるかは、強く認識します。(8月1日 泰子)
 

 

初めて開かれたその戸が、

二度と開かれませんように。

人は敬意をはらい素早く通り抜け、

辿り着かなければなりません。

その戸が、

誰かの傷口だからです。

投稿情報: 2011/08/02 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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踏んではいけない、踏み絵

7月27日


誰かが、今回の震災及び原発事故に態度を表明することは、”踏み絵だ”と言うのを聞きました。


まさにその通りだと感じました。


私達、百姓、農業者、広く土に関わる者は、互いに、踏みつけ合っていたのだと、今更ながら思います。


私達が見過ごして来たこと、黙っていたこと、正せなかった過ちが、今回の大事故、放射能禍を招きました。


私達が踏みつけた絵は、土壌であり、風景であり、そこで暮らす、我らと同類の人々の姿でありました。


今、私達は、一枚の絵の前に立たされています。これまで同様、そ知らぬ顔で、それを踏みつけるか、拒むのかを、おのおの選ばなければなりません。


黙って看過することは、踏みつけること。


百姓、農業者を、これまで通り黙らせておこう、という、政官財界の手先とは、決別しなければなりません。

先達が無理強いされ、骨身に滲みた物言わぬ風潮を振り払い、か細くとも未来につなげる、輝かしい遺産が、まだ、あるはずです。

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投稿情報: 2011/07/28 | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2011年7月2週号

◆梅雨明け

よろよろと、皆なで夏に入っていきます。

正直言うと、やっとこ歩いているのに、「もう夏だ!」と、どやされたって、「わかっているよ」と、手で合図する位の訳です。

だいたいにおいて、すでに、ナスの葉には、“カチカチカッチン”が、数匹確認されております。まだ、カチカチと“放電”する大きさはありませんが、もう、3.5cm位あります。「羊たちの沈黙」の、例の“蛾”クロメンガタスズメの幼虫のことです。

南西諸島原産の、彼らは、埼玉寄居に定住したことになります。あの、3月の記録的寒さも乗り越えたのか!と、感動すら覚えます。(ひねりつぶしながら)

私達のご先祖様も含め、生物の開拓者魂には、脱帽します。6a0120a5f8ea22970b01348604e88f970c-320wi(晃 ←尻尾の先に、小さい突起がいっぱい付いていて、危険を察知すると、チチッチッと、鳴らすのです。春、成虫がジェット気流に乗ってやってくる、という説(茨城の久松農園さんのブログ)もあり。)  


◆くぬぎの森広場のブルーベリー園、16日(土)から

Kannbannkunugi 寄居町鷹巣の吉田さんの丹精された、1000本以上の無農薬ブルーベリーの木が待っています。

入園料は300円、摘み取りは1キロ1000円です。朝6時から夕方6時までの営業です。涼しい、くぬぎの森で休みながら、たくさん摘んでください。

詳しくは、ホームページ http://www5.ocn.ne.jp/~b-verry/(「たかのすくぬぎの森広場」で検索してください。

 
◆今年の夏野菜


DSCF2200 まず、トマトの新顔が、中玉の赤い「シンディー・スウィート」と黄色い「シンディー・オレンジ」です。ハウスの中で、のびのびと育っています。小粒で収量はありませんが、特に赤いのは、美味と思います。

隣で出遅れている「ルネッサンス」も、ぼちぼち取れだしましたが、タバコ蛾の幼虫の被害が出ています。上記のカチカチも、現れると思うのですが。来年こそ、ハウスの開口部にネットを張って、虫見しなくていいようにしたいです。

露地のトマトは、おなじみの、「サンティオ」と「クック」、大玉の「麗花」。少しだけ黄色いクッキングトマトも作りました。雨が少ないと、トマトには良いのですが、暑すぎると、玉焼けしてしまいます。

DSCF2204 ナスは、普通のナス、「マー坊」という細長いナス、そして、緑色の長ナスもやってます。

取れ始めたオクラは、例年通り、六角、丸、赤の3種類。

キュウリは、これまでは、とげとげの「スーヨー」系ばかりでしたが、夏秋とりがうまくいかないので、普通のキュウリもやってみています。味はどうでしょう。


お客さんが、ふさふさした絹糸のべビーコーンを手に娘さんが踊りだした、と、写真を送ってくれました。かわいい。(ネット上では、公開しません。紙版のみに掲載しました)

この頃は、きれいだったトウモロコシ、今は、虫に食われた部分を落としながらの出荷です。鶏のおやつもたくさん出ます。数年来、悩まされた“アライグマ”については、うちには寄り付かなくなったようです。(泰子 7月11日)

 

投稿情報: 2011/07/12 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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3月10日から~その3(8月1日まで)

6月11日


プルトニウムのことを考えよう

人に作られた呪われた子らのことを考えよう

罪もなく、邪悪に生まれた子らのことだ

破壊せねばならない

「成仏」という言葉を思う

百姓は殺す

際限もなく殺す、大方の印象に反して?

成仏の為でもなく、もっぱらそれが己の道だと

自分を納得させながら

ひねり潰す、断ち切る、足で砕く

しかし、彼らは、ただの死者ではない

土を肥やし、命を育み、私達の中にもやって来る

私達の体は、彼ら死者たちの堆積物だ

そう百姓は感じている

だから、常軌を逸している。と伝えられるプルトニウムも

きっと、例外ではない

そんな風に感じている

そうとしか考えられない

ヒトは全力をあげ、「成仏」の方法を

考えねばならない

本当に「閉じ込める」ことが、唯一の解決策なのだろうか?

彼らの帰るべき道はないのか

科学は、きっとそんなことの為にある

科学は「成仏」できない者達に寄りそってあげてほしい

 

プルトニウムのことを

一緒に考えよう



 

6月12日


生き物達はみな精一杯感じ取り、目を凝らし、嗅ぎ分け、不測の事態に対応しようとしている

今在ることがどんなに大変でも、予知しようと努めることは大切な営みだ

百姓の目の前には数億、数兆といった数の生き物達が常にいる

その中の一個体が、何か違和を感じ取り、不安にさいなまれれば、動揺は周囲に及び、共鳴する者もいる

そして百姓は気配を大切にする

言葉も大事だが、天気予報も大切だけれども、頼り切ることはできない

年とともに視力などが弱まってゆく時、気配を感じる力は次第に増して、補ってくれるのはありがたい

気配の中には予兆と呼ばれるものも含まれている

神秘的な考えではない

満ち満ちた情報の中に気配を感じ取ることは、誰にでもできること

 



6月17日

 
今晩家族揃って口にする

セシウムに砕けた木の実の香りがあり

プルトニウムはクリームのような舌触りだ

想像しようでは、水銀に味はあったか?

カドミウムに香りはあっただろうか?

PCBは?ダイオキシンではどうか?

これ等はみな、知らぬ間に体に入り、生き物を苦しめ

死に至らしめる力を持った物質だ

想像しよう

打ちのめされるためでなく

未来のために

この40年間人々は原発を想像できなかった

少数の人が想像のスイッチを懸命にさがし、見つからなければ作ろうとしてきた

その努力の痕跡は、人々の内に残されていた

福島の事故以降、この痕跡をたどるように回路は少しずつつながり、スイッチは入ろうとしている

災禍を待たなければできなかった想像

しかし、この災禍ゆえに起動した想像力は、新たな災禍の可能性をかならずや粉みじんにする

 



6月17日

 
体制派、反体制派などという言葉が近頃よく目に入る

ボロッちい意味のよくわからないレッテルなので

今日からは、もう少しわかりやすく直したいと思う


体制派=反訂正波


反体制派=訂正波


みんなによく覚えてもらい、できれば、しばしば使ってほしい

注目してほしいのは、派を波に変えたところだ

始め、さざ波がそこここに生じ、それはうねりとなり、波となる

固定的な集団を表す、党とか派とは、わけが違うのだ

これですっきりした

分かり易い。と思う

 

 

7月11日


日頃泣かぬ者達も泣き

閉じられ泣くことができなかった者達にかわり

強く押しつけられまだ泣くこともできない

同類達の分迄おこれ

決しておこったことがない者達も皆おこれ

ついには、決っしてくつがえされたことがないものをくつがえし

自分の心の中をくつがえし

そうしたら

存分に笑ってしまうだろう

畑で木立の中で

たくさんの、物、者、らと

顔を見合わせては、笑うだろう

皆いっしょに笑うだろう

秋には笑えるだろう

冬迄には笑えるに違いない

来年の春には笑い声がそこここから聞こえてくる

次の夏迄には

かつてのように暮していますように

この春できなかったこと

この夏中おこり

くつがえす

自分の心の中をくつがえす

 



7月22日


大切な絵、大切な本を汚す者がいれば

ひとはおこります

例え今は目に見えない汚れでも

絵の具や紙を変質させ

やがて全体を台無しにしてしまうかもしれません

今、あなたの目の前に

一冊の本があり

「15頁から16頁の間には

危険がひそむため、開くことができません」

と表示されていたら・・・・

索引には封印される前に読んだ人々の覚え書きと

閉じ合わされる前に誰かが撮った写真とその説明

が記されていれば

足りるでしょうか

福島の村々は

目に見えぬ領域

開くことのできない一頁となって

尊いものを教え

人の過ちをあから様にし

真実を直覚させる

訪れるべき聖地であります

 


8月1日

 
初めて開かれた
その戸が

二度と開かれませんように

人は敬意をはらい素早く通り抜け

辿り着かなければなりません

その戸が

誰かの傷口だからです

 

終わり

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投稿情報: 2011/06/30 | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2011年6月 号外

震災によって気が遠くなるような被害を受け、早くなされねばならぬ山のような仕事が待っているのに、原発事故はこの国の足元をはらいました。汚しました。

長きにわたって、開かれ、守られてきた、畑の今を預かる者として、「ダメだ」と言います。

土と水と空気に関わる人間として、「ダメだ」と言います。

畑の恵みを人々に送り届ける者として、そして、それを日々糧とする者として、さまざまな生き物達の営みによって維持される畑に毎日通いながら、その生き物達に呆然とする返礼をした人間として、「原発はダメだ」と言います。

ただ、もちろん、百姓もこの国の一員です。「参政」を義務とし、権利を有する一員として、国境を超え、はるか未来に関わる原発の影響を考えるならば、この是非は、国民の総意に基づき、方向付けされなければならないと、考えます。

そこで、「みんなで決めよう「原発」国民投票」に、賛同人として関わることにしました。(6月27日 晃)


以下に、その趣旨をコピーします。興味をもたれた方で、インターネット接続をしていない方には、詳しい資料をコピーして、お渡しします。お声をおかけください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ぜひ「賛同人」になってください!

 「原発」をどうするのか。この極めて重大な案件は、行政府や立法府が勝手に決めることではなく、主権者である私たち一人ひとりの国民が決定権を握るべきではないでしょうか。

すでに任意のグループが「ネット投票」を行なっていますが、そういうものではなく、国会が認めた公式の「原発」国民投票を実現することは決して夢物語ではありません。多数の主権者が望み、求めれば、実施されるのは当然の道理です。それを果たすための市民グループ《みんなで決めよう「原発」国民投票》を今月末までに結成します。

 このグループは、「脱原発」あるいは「原発推進」を呼び掛けるグループではありません。主権者が、原発の将来をどうするのかについて、直接の決定権を握るための国民投票を実現させることを目的として活動するグループです。メンバー個々人が「原発」についてどういった考えを持つか、どんな発言をするかは自由ですが、会として、「脱原発」あるいは「原発推進」を外に向けて呼び掛けることはしません。 

これは、市民の知恵と情熱で歴史的な住民投票を実現させた、新潟の「巻原発・住民投票を実行する会」や徳島の「第十堰住民投票の会」の活動スタイルに倣ったものです。 ぜひ、こうした考えを御理解いただき、私たちのグループに参加してください。

   『「原発」国民投票の実施を』という私たちの呼びかけに応え、賛同してください。   応諾いただきましたら、ホームページやチラシにお名前を掲げさせていただきます。  

別紙、「原発」国民投票法(市民案)などを御一読のうえよろしく御検討ください。 返信をお待ち申し上げます。


みんなで決めよう「原発」国民投票 

〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町 2-19-13  ASK ビル 5 階  市民活動共同事務所 内 

電話 03-3200-9115 携帯 080-3866-3037

E-mail:[email protected]

投稿情報: 2011/06/27 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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「菜園たより」2011年6月4週号

 

◆いつもと違う梅雨

「異常」とか「はずれ」とかに慣れっこになっていますと、今年のように、「梅雨らしい梅雨」になると、逆に落ち着きません。

春の低温で、まだまだ作物は例年より遅れての生育ですので、ここでゆっくりしていた夏野菜たちも、やはり遅れ気味。とはいえ、ハウスのキュウリは、皆さまにお届けできるようになりましたし、トマトもちょっと赤らんできています。乾燥でアブラムシが大発生した露地のナスやピーマンの樹も、何とか立ち直りを見せ、実も付いてきました。

作業の方も遅れ続けていて、玉ねぎは収穫し終わりましたが、ジャガイモはまだ収穫適期に至らないものがほとんどですし、例年ならもう集め終わってほっとしているはずの麦わらも、土曜日から水気で重たくなったのを集め始めたところです。

年々この麦わら集めが過重になってきているので、カボチャの間などには「マルチ麦」というカバープランツを作るようにして、集める量を減らしています。それでも、やはり今年も軽トラック10台分くらいは集めなければ。うちの小麦も刈り時が近い…。(さし絵は、照手の、「コスレタスの羽根」)

Hane 


◆「ノラのパン」工房、着工

「枝分かれした洞窟の中で、幾度となく、つまずいてきましたが、少し自信を持って歩けるようになりました。支えてくれた皆さんに感謝です。」

と、「ノラのパン通信」の中で、雪丸がご報告しましたが、6月8日に、パン製造所となる建物の建設が始まりました。

今までは、家庭用の2倍ほどの大きさのオーブンで焼いていましたが、いよいよ、1辺が150cmほどの立方体の、大きなオーブンも備えた、正式のパン屋になります。 予定では、8月はお休みをいただき、9月より新装開店・正式開業となります。よろしくお願いします。

 

◆ 寄居町での放射線量

前号でお伝えしたように、埼玉県が県内での放射線量の測定に着手して、各地の結果が、発表されてきています。ここ、寄居町でも、先週の6月15日付けで、「町内小・中学校、公立保育所の校庭等における放射線量測定結果について」が公表されました。

地表付近での測定値が、0.07~0.14マイクロシーベルト毎時、ということで、これは、国際放射線防護委員会が定める平常時の基準である年間1ミリシーベルト(0.19マイクロシーベルト毎時)を下回っていますが、事故の影響は明らかですので、今後も見守って行きたいです。

また、埼玉県内の各地の野菜の検査では、4月26日以降、放射性物質は、「検出せず」です。この「検出せず」というのは、検査機器で測定できる定量下限値未満、ということだそうです。寄居町の土壌の検査は、いまだ、行なわれていませんし、土壌から作物への放射性物質の移行についてのはっきりした係数はわかっていないようですので、私たちの作る野菜それぞれの汚染状況は、これらから類推するほかありません。

引き続き、県を主体とした検査測定は行なわれるようですので、今後も皆さまにお伝えするつもりです、もっと甚大な被害を受けている地域の人々のことを、思い浮かべながら。(6月20日 泰子)

投稿情報: 2011/06/21 カテゴリー: 菜園たより(隔週発行) | 個別ページ | トラックバック (0)

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